太田光代の戦略性の高さと度胸のすわり具合は、感動的で必見!
『金曜日のスマイルたちへ』(TBS)
「考えられない!」
中居正広は、タイタン社長の太田光代のある作戦に驚いて声を上げた。
中居がMCを務める『金スマ』こと『金曜日のスマイルたちへ』(TBS)では、今回、事務所シリーズ第6弾として、設立30周年を迎えるタイタンを特集。スタジオに社長の太田光代、爆笑問題、そして『M-1』王者のウエストランドが揃うのは初めてだという。
爆笑問題と太田光代の出会いから、これまでを再現ドラマで振り返るのだが、そのキャスティングが光る。太田光代役は、かつて天才子役としても名を馳せた菅野莉央。太田を辻岡甚佐、田中を若林時英と絶妙に雰囲気の似た役者が演じている。
だから、初対面の太田が光代の家にそのまま居ついてしまうエピソードなども、家で手が触れ合うみずみずしい描写とともに紹介され、胸がキュンとなってしまう。それを見て照れくさそうにしている太田の表情もとてもいい。
2人が結婚してわずか4日後に太田プロを独立。その後に『ビートたけしのオールナイトニッポン』の代打で「たけしは死にました」と発言し、大問題になったという。このあたりの時系列が自分の中で曖昧だったため、改めて日時を調べてみると、1990年9月26日に太田光と光代が結婚、同月30日に事務所から独立、翌月10月26日に『オールナイトニッポン』代打出演と、怒涛。少なくてもラジオについては、独立してもオファーがあったということに少し驚いた。だが、この“事件”も重なって、メディアからは完全に“干された”状態になってしまう。
その間、太田はゴーストライターのような形で、脚本を書き1本は採用されオンエアもされたそう。しかし、その後は太田が書いているという理由で不採用になってしまったという。当時のテレビ局側の過剰な忖度がうかがえる話だ。
そんな中で、大きな転機となったのは、『NHK新人演芸大賞』『GAHAHAキング』で勝利した後におこなった単独ライブ。『アンタウォッチマン』(テレビ朝日)での特集では、当時はまだ単発の仕事ばかりだったからレギュラー番組を取りたかったという思いから企画し、それもただ単独ライブをやるのではなく、テレビの改編期を狙い、その手前の時期である7月と1月の2回行なったと太田光代の戦略性の高さが明かされていたが、彼女のスゴさはそれだけではなかった。
太田が「それが本当に大きかった」と振り返り、中居が冒頭の言葉のように驚いた、その行動は、あまりに度胸がすわっていて、それを受けた相手の度量も大きく、彼女の作戦は是非、実際に番組を見て確認してほしい。感動的で必見だ。この結果、爆笑問題には数多くのレギュラー番組出演のオファーが届くことになるのだ。
そしてタイタン特集は、きっとスルーするだろうと思われていたあの“事件”もしっかりと伝えるのだ。