松本人志も「いつの時代やねん、このバラエティ!」とツッコミ
今週、TVerで観て欲しい番組はコレだ!
『水曜日のダウンタウン』(TBS)
『水曜日のダウンタウン』といえば、芸人らを極限の状態に追い込み、人間の本性や業をむき出しにする企画が得意だ。
前週から2週にわたって放送された大型企画「身代わり数珠つなぎカラオケ」もそうだった。千葉の山奥に閉じ込められた芸人は、自分の身代わりになって閉じ込められる芸人をあの手この手で呼び出していく。いくら関係性がある間柄でも遠く千葉の山奥はなかなか来てくれない。だから、社長がいる「企業案件」だとか、ウソをついてでも誘う。

遂には、「米倉涼子もいる」などと「米倉詐欺」まで働くのだ。そうしてようやくやって来た芸人になんとかカラオケを歌わすも、自分より高得点でなければ身代わりになれないため、高得点が出ないとわかったときの顔は、筆舌に尽くしがたい。これこそが「絶望」と言うのだろう。
そんな過酷な名企画の後、後半に放送されたのが、「愛煙家対抗 負け残りタバコ我慢対決」。こちらもまた、「身代わり数珠つなぎカラオケ」に負けず劣らず、「人間」をむき出しにする『水曜日のダウンタウン』らしいものだった。

そもそも、タバコを吸っているシーン自体、この番組以外ではなかなか見なくなった。2019年に行われた「喫煙家 喫煙所までの道のりがどんなに困難でも向かっちゃう説」も記憶に新しい。この企画で驚異的な身体能力と根性を見せたパンサー尾形が、のちの傑作「落とし穴に落ちたのに一向にネタばらしが来ないまま日が暮れたら正気じゃいられない説」(2021年)で奇跡を起こすことにもつながったといえるだろう。
今回の企画で集められたのは「喫煙所までの道のりがどんなに困難でも向かっちゃう説」にも登場したパンサー尾形、あかつ、銀シャリ鰻に加え、納言・薄幸、牧野ステテコ、きしたかの高野、カミナリまなぶ、トム・ブラウンみちお、ラランド・ニシダという芸人たち。さらに大食いのジャイアント白田までキャスティングされるというのがこの番組らしい。
対決が行われる体育館には喫煙所が設置されており、1時間ごとに行われるゲームに勝利した人だけがタバコを吸うことができ、最後まで負け残ると1週間の禁煙が科せられるというもの。これに「なんでですか? なんでそんなことしなきゃいけないんですか?」真っ直ぐな疑問を挟む尾形。すでに移動のため3時間近くタバコを吸っていない面々は最初からピリついている。
ろうそくが最後までついていた人が勝ち(他人の火を消してもOK)という「生き残りろうそく対決」、「ライター一発着火チャレンジ」、「シケモク早拾い競争」などの対決が行われているのを見てスタジオの松本人志も「いつの時代やねん、このバラエティ!」とツッコミ。
勝ち抜け美味しそうにタバコを吸うのをゾンビのように敗者たちが見ている図が もはやホラー。
そんな中で第4ゲームの「妨害ドミノ対決」が白眉だった。それぞれ決められた枠の中でドミノを並べ一番多くのドミノを倒せたら勝ちなのだが、自分のドミノを投げて他人の妨害をしてもOKというルールが効いていた。「やめろ!」「ふざけんなよ!」罵声が飛び交うのを見てスタジオのケンドーコバヤシも「戦争なくならんわ」と つぶやく。
「あーー!楽しくない!!」とタバコとドミノのストレスで壊れていくみちお。「もー仲良くやりたいよぉ、なんでこんなことになんだよ、もう……」「ドミノってさあ、友情とかのゲームじゃないのかよ」という言葉に生来の人の良さがにじみ出ている。
終了時間間際にはケンコバが「人類の最後見てるみたい」と言うように、自滅しまくり。
この「妨害ドミノ」はタバコと関係なく、ヒリヒリするゲームとして秀逸で、他の説のときも使えそう。
そして、みちおは、次のゲームで普通では見せてはいけないような顔をすることになるのだ。
『水曜日のダウンタウン』(TBS) 1月18日(水) 放送分を TVerで観る
次回では『水ダウ』史上屈指のヒリヒリ感!テレビで滅多に観られない みちおvs牧野ステテコによる戦慄のシーンを絶対に見ておくべき理由を詳びらかにします!