「ayakaが僕に見切りを付けるのは早かったですよ。クレジットカードが使えなくなって、僕の嘘に気付いた翌日には家中の家財を運び出していました。僕のもとに残ったのはたんまりと溜まったリボ払いと消費者金融の借金だけですよ」
陽平は、ayakaを落とすため、そしてayakaに贅沢をさせるために限界ギリギリまでリボ払いを使っていたし、カードローンも契約していた。
「今はwebライターの仕事と日払いの工事現場の仕事のダブルワークです。体もボロボロですよ。でも毎月7回は借金の返済日がやってきますからね。365日働き通しです」
陽平が夢見た自由気ままなフリーランス生活は、年中無休のセルフブラックライフと化してしまった。
「ayakaですか? ayakaは名前を変えて、またオンラインサロンで初心者を狩っていますよ。僕のカードで買ったブランドバッグの写真や高級レストランでの食事の写真で、たくさんの人たちが騙されています(笑)。バラさないのかって? いいんですよ。ayakaを騙したのは僕のほうですから」
陽平は自嘲気味に笑いながら、ayakaの新しいアカウントに投稿される2人で食べたディナーの写真に"いいね!"を押した。
Text:FORZA STYLE
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