オンラインサロンとは、インターネット上の集まりで、入会金や月額料金が必要なことが多い。参加者はサロンの主宰者や幹部から、案件獲得のノウハウやビジネスに必要なスキルを学べる。オンラインサロンは多種多様で、高度なスキルを得られるものもあれば、ネズミ講のようなものもある。
「僕が入ったサロンは後者だったんですよ。ayakaという30代前半の女性が主宰者でしてね。ayakaはSNSに毎日のようにゴージャスなランチや高級バッグをアップして、たま〜にカフェで仕事をする様子を公開して、とにかく羽振りがよさそうでした」
生活費を稼がなければならないと追い詰められた陽平は、ayaka(31)のサロンに入会した。入会費は60万円。決して安くはないが、サロンに入会すれば誰でも数か月で月収200万円を達成できるというから、悪い投資ではないと思っていた。
「陽平さんはすぐに卒業できちゃうかもですね」
ayakaはきれいに整ったボブに、黒目がちな瞳、ハスキーで人を惹きつける声を持つ女性だった。入会した者だけが、本物のayakaと対面できるのだ。陽平はそんなayakaに心を奪われてしまった。
「これが最低のやらかしでしたよ。ayakaをモノにしようと思って、嘘をつき始めたんです。家が港区のタワマンだとか、貯金が1億円あるとか、実家が不動産を多数持ってるとかね」
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