履き込んで入ったしわで屈折する輝き! オトコが惚れる、コードバンの魅力
いよいよ 2022年も12月に突入。あと1ヶ月もしないうちに年末に突入し、あっという間に2023年を迎えます。みなさんのおかげで人気企画へと成長した#靴魂も112回目を数え、連載開始から2年以上が経過。投稿数も2万6000を超え、来年以降も さらに盛り上げていく所存です。
と、まだ締めには早い気はしますが、これから年末までは怒涛なので、一度この辺で。そして、第112弾は #靴魂が いぶし銀な輝きをみせ、イイ皺を刻んでいけるように願をかけ、オールデンのコードバン靴をピックアップしたいと思います。
農耕馬のお尻の皮に隠れている わずか2mm程度の厚さしかない「コードバン層」と呼ばれる部分を、裏・表の双方から削り出し、それ以外を取り除いて作り上げるのがコードバン。
傷をつけずに綺麗に削り出すには熟練の技が必要で、その繊細な作業が宝石を採掘する工程に似ていることや、ほんの僅かしか採れない希少性、キメが細かく滑らかでしっとりとした質感の美しさから「革のダイヤモンド」なんて呼ばれています。
使えば使うほど独特の光沢が出て、刻まれた皺など、味わい深くなっていく美しさは手に取った人々をトリコにします。
削り出したコードバンはヌバックやスエードのように起毛した状態なので、仕上げとして瑪瑙(めのう)と呼ばれる玉を使い、研磨熱で表面の繊維を寝かしつけて艶を出す「グレージング」と呼ばれる加工を施すのですが、それを得意とするタンナーがアメリカにあるホーウィン社。
そこのシェルコードバンを使った靴で人気を博すのが、1884年、米・マサチューセッツ州ミドルボロウでチャールズ・H・オールデン氏によって創立されたオールデン(ALDEN)です。
いぶし銀な輝きをみせるコードバンのシューズは、農耕馬の減少で日に日に手に入りにくくなっているため希少性も高まり、日に日に減少中。その希少性から価格も上昇していますが、このままいくと欲しくても手に入れることができなくなる危険性も孕んでいます。
では話をクルリンパと戻して、オールデンのコードバン靴の投稿5選をご紹介していきます!
オールデンのプレーントゥ「990」(バーガンディ)
まずは、@nonsutotsupumariburuさんの投稿。オールデンのプレーントゥ「990」、バーガンディのコードバンです。
「990」は、オールデンを代表する外羽根のプレーントゥ シューズ。グッドイヤー製法で、他では見られない大胆なコバの張り出し、インソールとアウトソールの間にミッドソールと呼ばれる革底を挟み込んだダブルソール、アメリカ靴らしい頑丈な太めの糸を使ったステッチなど、シンプルなプレーントゥでありながら、独特で武骨な存在感が漂っています。
丸みを帯びたラウンドトゥで、ボリュームある幅広なバリーラストではありますが、やや長めのレングスなため適度にポッテリ感が抑えられ、ジーンズやチノパンだけでなくドレスにもマッチ。あらゆるスタイルに合わせられる汎用性の高さから つねに人気を誇ります。
そんな「990」を美しく育てた@nonsutotsupumariburuさん。記載なさってるように、"カラー8"、"ナンバーエイト(#8)"とも呼ばれる、バーガンディのコードバンは個体差すごく、@nonsutotsupumariburuさんのは、退色して赤っぽく仕上がっています。
そんな赤っぽい「990」に自然に走る履きじわも綺麗。2012年から10年ほど履いてるとのことで、踵のライニングは削れているようですが、よく磨かれてイイ顔してます。
今後もたくさん履いては手入れして、さらに美しい一足に育ててあげてください!