上層部と掛け合ってカナコを別の部署に異動させてくれたのだ。
「私を異動させたのは亮介さんって本当ですか?」
「……そうだよ。飯島に悩まされているカナコを見て、何とかできないかと思って動いたんだ。もしかして、迷惑だったかな……」
「いえ、そんなことありません! 亮介さんには本当に感謝しています。上司としても尊敬していますし、男性としても好きですし……。あ、すみませんこんなこと言って……」
迷惑なストーカーからカナコを救ったことをきっかけに、二人は付き合うことになった。亮介は元々仕事重視で家に帰る時間が遅いことが多かったため、その時間を利用してデートを重ねた。ときには出張だと言って二人で旅行もし、数ヵ月が過ぎた。
いつしか知らない間に、カナコには亮介を束縛したい意識が芽生えていた。
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