まだ相手の弱みは握れていない。それでも諦めない、必ず何か掴んでやるとカナコは拳を握りしめていた。
瑠璃の中でのカナコの印象は、優しく真面目な性格の持ち主だった。まさかこんなに執着心の強い性格を持ち合わせているとは予想だにせず、瑠璃は話を聞いてただ呆然としていた……。
亮介との出会いが、カナコの闇の性格を引き出したのかもしれないが、恋愛はこれほどまでに人を変えるのかと、瑠璃は少し驚いていた。
「亮介さんはいずれ奥さんとは別れるって言っている。不倫している男性のお決まりの文句でもあるけど、私はその言葉を信じたいんだ」
亮介との関係を辞めるつもりはないときっぱり言い放ったカナコ。
瑠璃は大切な友達だからこそ、不倫という関係性を止めたかったが、カナコのまっすぐな瞳に何も言えなくなってしまった。それは、静かな闘志と覚悟を感じさせる目でもあったという。
カナコには幸せになってほしいと願う瑠璃。しかし、カナコがこのまま亮介との関係を続けていくのであれば、茨の道を進むことになるのは容易に予想できるはずだ。
果たしてカナコは、そして友人である瑠璃は、これからどうするのだろうか?
Text:女の事件簿調査チーム
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