その日、直斗からアフターに誘われた。お金はいらないから、もう少しだけ話がしたいとの言葉に、乃亜は軽い気持ちでOKした。
そして、No1の直斗から個人的に誘われたという優越感と甘い言葉で完全に心を掴まれてしまう。それが直斗のファンを囲い込む手法だった。
短い時間でも目の前に座ってくれる異次元のような直斗のために、次の予約を入れ、また次の予約をいれ、3万、5万、10万円と使う金額が増えていった。
好きなファッションに使うお金も直斗のために回して、なんとかもう一度自分に向いてほしい。どうしてもあの優越感をもう一度味わいたいと思った。だが初回以降、個別にアフターを誘われることはなかった。
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