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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【Vtuber不倫】憧れの王子様と。深夜の「特別な」ビデオ通話にハマった主婦の悦楽

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

「こんばんは〜、今日もみんなお疲れ様。僕の配信に来てくれてありがとうね」

アイロン台にスマホを立てて置き、洗濯物を畳みながら梨花(仮名)は時間通りに始まった配信をじっと眺めていた。画面の中で動いているのは、アニメキャラがそのまま動いて話しているかのような配信者、いわゆるVtuber(ブイチューバー)。

白いスーツに身を包み、青い髪をなびかせた王子様のような見た目のそのキャラクターは、ときたま画面の奥から手を振り、ウインクをし、視聴者のコメントに答えていく形式で楽しそうに雑談をし始めた。

※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。

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実際には人間が手を振り、ウインクをしているのをセンサーで読み取り、声だけは生身そのまま、リアルタイムにキャラクターに落とし込んだ生配信放送だ。

——今や梨花は、このVtuber「ナオト」のファンだ。

梨花ははじめ、Vtuberはアニメのキャラが動いて話しているだけの存在に感じ、生身のリアルなYoutuberに比べていったい何が面白いのかしらとすら思っていが、小4になる娘があまりに「あのVtuberがね……」と日々の話題で出すので、物は試しと見始めたのがきっかけだった。

こんなもの、容姿に自信がない人間が配信をするためのツールでしょう……と思いきや、これがまあ面白い。20年以上前、学生時代に深夜ラジオにハマり、ハガキを一生懸命に書いて送っては、自分のハガキが採用されるのを待っていた思い出のある梨花には、軽快で反射神経のいいトークは懐かしくも、現代の深夜ラジオのようで40歳にして新しい趣味となったのだ。

©Getty Images

特にこの、新進気鋭の配信者・ナオトは面白い——と大阪出身の梨花は感じていた。

若々しい声ではあるものの、芸人顔負けの大喜利力はピカイチだし、ファンを姫と呼び、王子様キャラを壊さないようにしなきゃと自ら言いながらも「宅配便きた!」などのトラブルも生放送で配信されるのだから、親近感が湧いて仕方がない。

フォロワーはまだ、数千人。ここからが正念場、人気に火がつくかどうかの瀬戸際。でも、いやだからこそ、手が届きそうで届かないこの感じがたまらなく楽しく、リアルタイム視聴者が100人ちょっとの今だからこそ、コメントが読まれる可能性が高いのも嬉しかった。

そうして梨花がナオトの配信を聴き始めて、今や3ヵ月目。アイドルのような彼の声の癒しは、夜に家事をする際に不可欠なものとなっている。

そして今日もまた、梨花はリンキーというハンドルネームでコメントした。

「ナオト、今日の喉の調子いつもと違う気がする。大丈夫?」



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