【後編】「ママ活」に足を踏み入れた女。彼女の密かな復讐とは…

未練ですかと言われれば、多分そうなのだろう。傷つけられても、関心を持たれなくとも、一度は好きで結婚したはずなのだからという事実をなんとかしてみたい自分がここにいる。

夫がパパ活をして若い子に夢中なのは知っている。そんな夫に対して、何か同じ秘密をひとつ持ってみれば、もう少し気を保っていられるかも。もう少し、忍耐強くいられるかも。この家庭内で、めげない片思いを続けていられるかも。

そう思って検索して見つけたママ活掲示板のおかげで、沙織は念願通り小さな秘密をひとつ持つことができた。これでやっと、精神の均衡が保てるかもしれない。ショウのことはいい子だと思う、手慣れていて秘密を作るにはちょうどいい相手だった。夫のことを悪く言われるのは腹が立つので、ついついブロックをしてしまったけれど。

沙織は、夫が眠るダブルベッドに静かに潜り込んだ。