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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後編】「ママ活」に足を踏み入れた女。彼女の密かな復讐とは…

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共にホテルを出て、新宿駅まで一緒に歩く。小田急線だというショウを見送り、沙織はJR線のほうまでひとりで歩く。私、すごいこと、しちゃったな。足取り軽く、少しにやける。私だって、やってやったぞ。沙織は心の中で小さくガッツポーズを取った。そして先ほど交換したばかりのショウの連絡先を、そっとブロックした。

 

その日の沙織は、帰宅した夫の不機嫌そうな態度を目の前にしても、いつものように心が乱されることはなかった。いつもならイラッとする瞬間も、何をされても、穏やかな気持ち。だって私は今日、あなたの想像のつかないほどのすごいことをしたのだから。

目の前でため息をつき、丁寧に調理した手料理をかきこむように食べ、味の感想ひとつも言わずに無言で風呂へと行き、スマホゲームをしながら寝床へ向かう夫の後ろ姿を見送りながら食器を洗う。沙織は思う。どう見ても破綻しているかもしれない夫婦関係だとしても、私はまだ、やっぱりこの不機嫌な男のことが好きなのだと。



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