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「リオさんが人妻だなんて、なんだか信じられないなあ。あ、もちろんいい意味でね」
身体を重ねた後だからか、少しくだけた言い方でショウはベッドに転がりながら呟いた。沙織は布団で裸を隠しながら、笑って頷く。
「年齢は38歳なんですよね、でも僕なんかと会わなくても男の人寄ってきそうだけど」
「だといいけどね、そんなことないよ。夫とは結婚して8年だけど、セックスレスは6年だし、何よりいつも冷たいし……アラフォーで、この年齢なのに子供も作らないで、どうしようかなって感じだし。勇気を出してショウくんに連絡を取ってみたけど、現実に戻ればまたため息つくだけだよ」
「……ふぅん、そっか。なんか……大変なんですね。しかし旦那さんクソですね、こんな美人な奥さんいるのに冷たくするなんて。俺からも心の中で殴っときますよ!」
「まあ……あ、そうだ。お金払っておかなきゃね、顔合わせが5000円でホテル3万円だから、3万5000円でいいよね?」
そう言いながら、沙織は財布から現金をそのまま差し出した。
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「いやいや、3万でいいですよ。結局お茶も飲めてないし、顔合わせ一瞬だったし。お気持ちだけ、ありがとうございます」
ショウは3万円だけサッと抜くと、残りを沙織へと押し戻す。
「いいの?」
「いいんです、沙織さん美人だったし。その代わり、また連絡くださいよ」
「うん、また連絡するね」
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