©Getty Imagesそう言って麻美が差し出したスマホの画面には、青い半袖シャツに白い半ズボン、太陽が眩しい海岸沿いで大型犬を抱きながら爽やかに微笑む、30代前半ほどの男性の姿があった。かっこよくて私好みの……
……乃江は、あ、と声が出そうになるのをぐっと飲み込んだ。
目の前の写真の相手に、見覚えがある。それどころか、私はこの写真も見たことがある。頭が真っ白になる、まさか。点と点が線で繋がる感覚で吐きそうになりながらも、できるだけ、できるだけ自然に振舞わなくてはと一息ついて、乃江は人生で一番の作り笑顔を麻美に向けた。
Text：女の事件簿調査チーム
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