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GRMNヤリス研究!800万円超えなのに予約殺到の理由

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■高価格に見合う、スペシャルプログラムが用意されていた

スーパー耐久、そして全日本ラリー、2つのモータースポーツ参戦からの学びを生かしたGRMNヤリスは、ボディ剛性強化や約20kg軽量化、車高10mm低減による低重心化、全幅10mm拡大による空力改善。さらに、モータースポーツの現場で、幾度も故障しては強化していった機械式LSDやクロスギアレシオトランスミッション、ローファイナルギヤのセットなど、盛りだくさんの内容だ。この手のアップデートであれば、他のスポーツモデルであっても、普通に考えられる範囲でもあるが、GRMNヤリスはちょっと違う。

GRMNヤリスサーキットパッケージ。BBS製 GRMN専用18インチホイール、18インチブレーキ、ビルシュタイン製 減衰力調整式ショックアブソーバー、カーボン(綾織CFRP)製リアスポイラー、サイドスカートはメーカーオプションとなる

このモデルのポイントとなる「アップデートプログラム」とは、GRが開発した最新の技術やパーツの追加、ソフトウェア更新ができるプログラムだ。作業は全国のGR ガレージにて随時実施することになる。

また、「パーソナライズプログラム」とは、全国のサーキットなど指定の会場で運転データを分析し、一人ひとりに合わせたカスタマイズを実施する。具体的には、ステアリング制御やエンジン制御、駆動配分といったソフトウェアに加えて、ショックアブソーバー減衰特性、バネレート、空力パーツといったハードウェアを細かく最適化することを予定しているという。まるで、自分がレーシングドライバーになるかのような体験だ。

GRMNヤリスラリーパッケージ。GRショックアブソーバー&ショートスタビリンクセット、GRアンダーガードセット、GRロールバー(サイドバー有)が、ディーラーオプションとして設定。こちらは個別に選択ができる

実際に、パーソナライズプログラムを享受するのは、プライベートで耐久レースや全日本ラリーなどのモータースポーツへ参戦しているレース志向のアクティブユーザーが多いかもしれないが(もしくは、これを機に参戦する意思がある方)、自動車メーカーがプライベーターのチューニングにまで入り込み、レースシーンでカスタマイズしてくれるサービスなんてこれまで聞いたことがない(モリゾウ氏は別格だが)。

レース参戦で上位入賞を狙うドライバーにとっては、GRヤリスの2倍という価格に見合うだけの、スペシャルプログラムになっているといえるだろう。

 

■まとめ

逆に、転売や投資目的の方には全く向いていない。購入時に、レース参戦をしているか(若しくはその意思があるか)など、厳密な購入前審査が入る可能性もあるが、それ以上に、パーソナライズプログラムを有効活用できないのであれば、元値以上の価値を享受することはできない。筆者は、GRMNの中古車相場は、元値以上にはならないと予測している。

GRMNヤリスのインテリア。レカロ製フルバケットシート(サイドエアバック付き)が備わる。ボディには、スポット溶接打点数を545点増加、構造用接着材を12m長く塗布したことで、ボディ剛性を更に強化した

限定台数500台、どれほど売れるのだろうかは未知数だが、800万円近い金額の半分は、GRからの「サービスを受ける権利」を購入するようなものだ。これを機にレース参戦をしてみたいという方には、かなり高額ではあるがぜひお薦めしたい一台だ。

Text:Kenichi Yoshikawa
photo:TOYOTA
Edit:Takashi Ogiyama

GRMNヤリスの公式サイトはこちら



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