2022年1月14日、トヨタはGRヤリスのフルチューン仕様「GRMN(GAZOO Racing tuned by Meister of Nürburgring)ヤリス」を、500台限定で発売することを発表した。販売は2022年夏頃より全国のGR Garageにて行われるが、すでに発売台数の約6倍もの予約があったという。ちなみに、予約の締め切りは2月28日で、3月9日に当選結果が連絡される。
ベースとなったGRヤリスは、WRC参戦のホモロゲーションモデルとして開発されたスポーツ4WD。十分にパフォーマンスの高いモデルだが、今回のGRMNヤリスは、さらにチューニングが施されていて、GRヤリスファンならずとも関心度が高い一台だ。トヨタはどんな狙いを持って、GRMNヤリスを出すことにしたのか、実車の内容を確認しながら考察しよう。
■価格は、標準GRヤリスの約2倍
「最強のGRヤリス」に仕上がっているというGRMNヤリス。ROOKIE Racingとして「モリゾウ」氏もステアリングを握り参戦したスーパー耐久や、シーズン優勝を果たした全日本ラリー選手権、といったレースで戦う中で鍛え上げられたことで、ここまで仕上がったそうだ。
国産スポーツ4WDの中では、ピカイチの性能で登場したGRヤリスだが、レースという極限の使用環境下では、計算通りにいくとは限らない。ドライバーが浮き彫りにした課題を、エンジニアが即座に解決し、レースマシンへとフィードバックする。そうした「スピーディに、かつ人に合わせて進化するクルマ」をお客様にも提供したい(モリゾウ氏)という思いから、GRMNヤリス開発はスタートしたそうだ。そのため、GRMNヤリスは単に売りっぱなしではなく、普通の自動車販売とはちょっと異なる「アップデートプログラム」と「パーソナライズプログラム」の、ふたつのサービスが初導入されている。
車両価格は、標準仕様が731万7000円、BBS製専用18インチアルミやビルシュタイン製ショック、カーボン製リアスポイラーなどを施した「サーキットパッケージ」は846万7000円、GRショックアブソーバーやGRロールバーなどのオプションを施したラリーパッケージは837万円8764円。標準仕様(RZ)のGRヤリス(396万円)の2倍近い高価格となっている。それだけの価値があるのか、内容を具体的に確認していこう。