ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
CAR 九島辰也のCAR STYLE

今買える新車の中で一番イケてる!マセラティ・グラントゥーリズモ試乗レポ

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

見た目にカッコよく、走って力強く、乗って快適な憎いヤツ

今日現在、新車で買えるクルマの中で、「一番かっこいいかも!」と思われるモデルに試乗しました。マセラティ・グラントゥーリズモです。すでに発表会は終わっており、いろんなメディアに取り上げられているのでご覧になった方も多くいらっしゃるでしょう。かなりクールな一台です。

デザインの責任者はクラウス・ブッセ氏。長年マセラティを率いており、MC20から始まった新世代マセラティを導いた人物です。グレカーレもそうで、世界中で高い評価を得ました。2018年には一緒に英国グッドウッドで行われた“フェスティバル・オブ・スピード”のガラパーティに参加したことがあります。2mを超える身長の厳つい印象もありますが、話してみると気さくなナイスガイでした。

そんな彼が生み出した最新作がこのグラントゥーリズモで、オンラインで世界中にデザインのプレゼンテーションも行いました。その意味ではかなりの自信作だと思います。その中で、マセラティのマイルストーンとも言えるA6GCSの話が出てきたのを記憶しています。1950年代前半にピニンファリーナがデザインしたスポーツカーですね。1954年式マセラティA6GCS/53ベルリネッタは2017年のモントレーカーウィークの中の一つのアワードで世界最高峰のクラシックカーに選出されたことがあります。なので、ブッセ氏もそれをレスペクトしているとか。100年以上のヘリテージあるブランドだけに、マセラティには偉大なモデルが多く存在します。

そんな背景もあってか、新型は先代のいいところは残され、新しくするところは大胆な線を引いて出来上がりました。フロントマスクやリアのコンビネーションライトなどは新しさを、全体のフォルムは従来型のイメージを継承します。妖艶なフェンダーの膨らみはまさにイタリアンデザインといったところ。見ているだけで今にも走り出しそうでワクワクします。

もちろんそうは言っても全ては新しく、プラットフォーム、シャシー、パワートレインは新世代ですし、それによるパッケージングも新設計です。それを証拠に、新型のリアシートにはしっかり大人の男性が座れます。2mを超えるブッセ氏もアピールしていましたし、今回180cmの私が座っても窮屈さはありませんでした。ホイールベースが長いだけでなく、かなりヒップポイントは低く設計されています。なんとも不思議。

ついでに言うと、ボンネットを開けた時に気づいたのですが、エンジンがかなり後方に積んであるのにも驚かされました。いわゆるフロントミッドなのですが、ブロックがフロントアクスルより後方に積まれます。ロングノーズだからできるワザですが、ファイアウォールギリギリな感じです。

そのエンジンですが、これはMC20と同じ“ネットゥーノ”が積まれます。90度バンクの3リッターV6ターボで、MC20の630psをデチューンし、ドライサンプをウェットサンプにしました。パワーはトロフェオが550ps、モデナが490ps。駆動方式はAWD、ギアボックスは8速ATが組み合わされます。

マセラティMC20 Cielo

これを実際に走らせると、もはや文句なしといったところ。吹け上がりは自然吸気ユニットのように自然で滑らか。しかもあえて高回転型にすることで、上までしっかり使えます。トルクバンドを広くとっている恩恵でしょうか。それだけ抑揚がありながらどこからでも加速する感じがたまりません。

驚かされたのは乗り心地の良さもそうで、今回はサーキット走行でしたが、終始あたりの柔らかさを感じました。ゼブラに少しだけタイヤがかかった時もダン!という衝撃はなく、ダンパーがスッといなします。それはドライブモードをスポーツにしてもそうで、スポーティでありながら高級車である部分が顔を出します。このリアサスの粘りでこれだけ上質な乗り心地が得られるのはマセラティならでは。「目指している領域が違うな……」、なんて思っちゃいました。

と言うことで、見た目にカッコよく、走って力強く、乗って快適なグラントゥーリズモを堪能しました。もはや万能ですね。あとは実用性かな。街中で走ってどうか。まぁ、それなりに気を使うでしょうが、MC20よりはストレスフリーだと思います。かっこいいクルマをガレージに置きたい方は、ぜひともグラントゥーリズモをお選びくださいな。



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5