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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後編】女性の精神を支配し、不倫関係へ。「マニピュレーター」に嵌められた女の体験談。

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それだけではなかった、売り上げを伸ばしていた取引先担当から理由説明もなく外され、業績がガクンと落ちた美幸を、井上は毎朝叱責するように。しかも、それまで美幸が担当していた取引先を女性新入社員に担当させ、これ見よがしに褒めちぎる。

そんな日々が続き、夜は眠れず、食欲が低下して、出勤しようとすると吐き気や動悸に襲われる。内科を受診したが、検査を受けても異常が見つからなかったため、精神科を受診。

©Getty Images

しばらくの間、睡眠導入剤と抗不安薬を服用しながら何とか出勤していたものの、集中力が低下し、仕事上のミスが増える始末。ミスが見つかるたびに井上から叱責され、「あなたのせいでしょ!」と言い返したくなったが、じっとこらえた。

そんな二年間の暗黒の時を経て、一念発起した美幸は30歳で転職。辛い経験をばねにして、今は外資系企業でのびのびと働いている。
 

2010年に、アメリカの心理学者ジョージ・サイモン氏が豊富な臨床経験から分析し、「人を追い詰め、その心を繰り返し支配する者」を“マニピュレーター”と定義づけた。

ここぞ!というときに仕掛けてくる彼らの目的は、ターゲットを意のままにして、自分のほしいものを手に入れること。

美幸の場合のように、部内での孤立を回避するために奔走したように装い、あらかじめ自分の存在感を高めターゲットを信頼させておく下準備も忘れない。実に巧妙かつ用意周到だ。
 

今日も彼らは獲物を探している。「大丈夫、僕が(私が)なんとかしてあげるから」。

さてさて、この言葉は救いの言葉? それとも……。

Text:女の事件簿調査チーム



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