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LIFESTYLE 女たちの事件簿

部下の精神を支配し、不倫関係へ。「マニピュレーター」に嵌められたOLの体験談。

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

人当たりがよく、一見とても穏やか。しかし内面では全く違う顔を持ち、相手の心を意のままにコントロールして自分の利益を得る。そんなパーソナリティーを持つ人物のことを「マニピュレーター」と呼ぶ。

この単語を知っているという人は少ないかもしれないが、そういう行動をする人物に心当たりがある人は多いのではないだろうか。うわべはいい人だけに、だまされていたことに気づいたときにはすべてを失っていた……なんてこともあるので要注意だ。

彼らの目的は実に多種多様。今回は、具体例として、マニピュレーターによる被害に遭った女性のお話をしよう。

※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。

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坂本美幸(仮名)35歳独身。今回の話は、美幸が28歳のころにさかのぼる。

ある日、美幸は入社後最初に配属された営業部で、当時40代前半だった井上に『話がある』と個室に呼ばれた。

そこで聞かされたのは、部内で噴出した美幸に対する不満。態度や仕事への姿勢が気に入らないという話だった。

©Getty Images

「上から認められたいという気持ちが強すぎて、仕事の進め方が強引で語り口調も生意気だというんです。自分自身にそんな気持ちがないとは言わないけれども、部内のみんなとは、飲みに行くことも多く、仕事も問題なく進むんでいるという実感があり、いまいちピンときませんでした」

しかし、自分が気づかないうちに部メンバーの気分を害してしまっていたことに対して、美幸は素直に謝罪。同時に直接みんなに謝罪したほうがいいかを確認したが、井上の返事は「その必要はない。自分が君の代わりにみんなに伝えるから、何もしなくていい」というものだった。

「部内の平穏と仕事への支障を回避するために、問題があれば個別に呼び出し丁寧に対応する上司。なんて親切で面倒見のいい人なんだろうと思いました。実際、その話のあとも、私が部内で居心地悪い状態になることなどなく、井上さんがきちんと治めてくれたんだな~と感謝したほどです」

しかし、井上からの呼び出しはこの一度では終わらなかった。今度のクレームは取引先から。

「私の営業手法に取引先からクレームが入ったというのです。彼の話によると、強引で上から目線の物言いが気に食わない。『うちの会社の営業担当を替えて欲しい、替えられないようだったらもっと上にお願いするしかない』とまで言っているとのこと。正直驚きました」

©Getty Images

あまり心当たりがないとはいえ、取引先がそこまで言っているという事実。解雇も覚悟した美幸は、思わず井上の前で涙を見せてしまう。

そんな様子を見た井上は、「このまま放っておくと、君が営業担当を外されるだけでなく、解雇なんてことになりかねない。優秀な君がうちの部署からいなくなるのは困る。僕が取引先に話して、なんとかうまく治めてくれるようお願いしてみるよ。ある程度落ち着くまでは、君はあまり外回りしないほうがいい」と答えた。

2週間後、美幸は井上から食事に誘われ、その席で「取引先に会って、君の営業手法や態度、先方が不満に思っていた事柄に対して頭を下げて誠心誠意謝罪したよ。先方も長い付き合いでもある私が、そんな風に謝罪してくれるなら……と、担当を替えれば騒がないということで許してくれたよ」と聞かされた。

「大袈裟かもしれませんが、彼の言葉に、真っ暗だった自分の未来に光がさしたように感じました。就職氷河期に20社近く受けて、やっとこの会社に入社しました。そんな経験から働くということにまだ自信がなかった自分にとって、彼はまさに救いの神でした」
 

一安心したこともあって、勧められるままにワインを飲んだ美幸は、ぐでんぐでんに酔っ払った。その後ホテルに行き男女の関係に……。

©Getty Images

「妻子持ちの彼との関係は、いわゆる不倫ですよね。いけないこと、ましてや社内だと多くのリスクが伴うことも分かっていました。でも、当時は彼の手を放すことのほうが恐怖だったんです」

後編に続く

Text:女の事件簿調査チーム



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