西村:「にしたんARTクリニック」になる予定です。ARTというのはAssisted Reproductive Technology(最先端の不妊治療のこと)の略です。
丸山:なるほど、すっかり「にしたん」が定着していますものね! どうして不妊治療なのでしょう?
西村:今の日本でとても必要とされているのをすごく感じるからですね。不妊に悩んでいる方のお悩みに寄り添って、解決するお手伝いができればと考えています。
丸山:西村さんは25歳で起業されています。ご自身のターニングポイントとなった時期について教えてください。
西村:創業してから5年、特に最初の3年が本当にキツかった。「コロナになって大変でしたよね」ってよく労いの言葉をいただくんですが、それ以上にキツイ状態が3年も5年も続いていたから自分ではまだ全然余裕があったなと実は思っています。
あの頃は実績もなかったし、会社も小さいし、信用だってなかった。多分人生で一番で大変だったんじゃないかな。でも20代で若さゆえの根拠のないポジティブさがあったから乗り越えられたんだと思っています。そして40歳になった頃から、社会貢献がビジネスコンセプトの中心に置かれるように変わっていったんです。
「周りを自分の力で幸せにしていく、そして社会のために貢献したい」。そう心から思えるようになってからは次元が変わった感覚があったかな。実績の上がり方もすごかったですよ。
丸山:何かきっかけがあったのですか?
西村:何か特別なきっかけがあったわけではなくて、ある日子供が歩けるようになっているように、気が付いたらそうすることができるようになっていました。自然と身についていたという感覚ですね。
丸山:初対面で人をみるポイントはありますか?
西村:スキル面は最初にはあまり考慮しないです。一番いいのは人間性が素晴らしくて、スキルも高い人ですよね。
ですが、もし優先順位を着けるとしたら『感謝の感受性』が高い人であること。「感謝の感受性が高い人=自分が受けた恩恵を周りに何倍にもして返したいと考える人」だから。どうやって見極めるかというと「私が今までどれだけ人に助けられてきたか」という話をした時のその人の前のめり感やリアクションを見ています。
人間の能力というのは、考え方と比べるとそんなに大差ないと私は感じるんですよね。大抵の仕事というのは本気になればマスターできると思います。
丸山:うーむ、なるほど! では少し視点を変えてこの女性は素敵だなぁと感じるのはどんな点を見てでしょうか? ファッション、マナー、気遣い等……
西村:当たり前のことが当たり前にできることかなぁ。なんでも持っているようなお金持ちこそ、ささやかな感謝の気持ちを込めたギフトや手書きの手紙なんかを喜んだりするんですよね。
丸山:すごく納得の答えですね! では、そろそろ本題の時計を拝見しましょうか、すっかりお話に聞き入ってしまいました(笑)