寸刻を惜しんで働く経営者たちのビジネスヒストリーを、愛用時計とのエピソードから紐解く「社長の時計、見せてください」。
記念すべき第１回は、「３時のヒロイン」や郷ひろみさんを広告塔に起用したCMで話題の「にしたんクリニック」を経営する、エクスコムグローバル代表取締役社長の西村誠司（51）さんです。
ナビゲーターはメンズファッションライターとして活動、「ロック福田の腕時計魂！」でお馴染みの、マルちゃんこと丸山尚弓さん。渋谷のエクスコム本社でお話を聞きました。
西村さんは現在「にしたんクリニック」をメインとして複数の会社を経営していますが、コロナ禍が起きる前までは、あの「イモトのWiFi」を主力の事業としていた人物です。
しかし、コロナ禍により世界中がゾクゾクと「鎖国」され、Wi-Fi事業が壊滅的な赤字へ転落するなか、ピンチはチャンスを地で行く一手を打ちます。全くの新規事業としてPCR検査サービスを着想し、なんと約一ヵ月後にはサービスを開始したのです。
本題に入る前に、まずは西村社長の経歴をご紹介。
スーツは1935年創業の老舗オーダースーツブランドHANABISHI（花菱）、インナーはSVEVO（スヴェーヴォ）のカシミヤシルクニット、足元はSCOTCH GRAIN（スコッチグレイン）のストレートチップ。
エクスコムグローバル株式会社
代表取締役社長 西村 誠司 氏
1970年愛知県生まれ。名古屋市立大学卒業。93年アンダーセンコンサルティング（現アクセンチュア）入社。
95年インターコミュニケーションズ（現エクスコムグローバル）を設立、社長に就任。97年海外用レンタル携帯電話事業をスタート。
その後の成長の足がかりに。2012年海外用Wi‐Fiレンタルサービス「イモトのWiFi」ブランドの提供を始める。
19年メディカル事業をスタート、「にしたんクリニック」の立ち上げを支援。20年にはわずか数カ月でPCR検査サービスを実現。
丸山：初めまして、今日はよろしくお願いします。西村さんは、以前はWi-Fi事業をされていたとのこと、凄い方向転換ですね。
西村さん（以降：西村）：はい、フットワークの軽さと変わり身の速さには、自信があるんです（笑）。
2012年に始めた海外向けのWi-Fiルーターサービス「イモトのWiFi」の業績は、コロナ前までは絶好調の一言。19年には年商87億円を達成していました。
しかしコロナ禍で2020年4月には売上が前年同月比98％に激減して、天国から地獄で不眠の日々に（苦笑）。一刻も早く新事業で収入を得なければならないという焦りと模索の中で、PCR検査事業を思いついたのが2020年の7月20日。一ヶ月後の8月24日にはPCR検査事業を開始していました。
