この寒さのおかげで思い出し、長い眠りから覚醒!
さて、251回目は また舞い戻ってエルメス。コットンカシミアのシャツです。

この冬は なんだか寒い日が多いですね。雪も多いし、夜や明け方なんかはキーンとしてて芯まで冷える。
文字通り、売るほどカシミアを持ってる身としては活躍の場が増えて嬉しい限りで…、暖冬続きで存在すら忘れていたニットなんかがクローゼットの奥からひょっこり出てくる。
あらためて袖を通してみると、とにかく軽くて暖かい。もちろん、肌触りも柔らかくて滑らか。あぁ この感覚が好きで 気になるカシミアに出逢う度に清水ダイブしまくってたんだなぁなんて物思いにふけってると、エルメスのソルドで買ったカシミア混のシャツの存在を思い出す。

記憶を辿りに掘ってみると、案の定タグ付きで出てきました(笑)。
これは確か、ソルドの会場をくまなく廻った後、"シャツでも買い足そうかな"と探っていたときに出逢った一枚。他とは素材感が異なり、限りなく黒に近い濃紺の綺麗な色に一瞬でココロを奪われました。

普段から黒はほとんど着ないので、こんな感じのミッドナイトブルーというか、真夜中の闇を思わせる暗いトーンのネイビーが嬉しい。こんな僕でも知的で、落ち着いた印象を醸し出してくれるし、とにかく汎用性も高い。
まずはお財布と相談すべく、値札を確認すると、アレ? ソルドなのに思ってるより だいぶ高い…。
もしかしたら、と素材を確認するとカシミアが混ざってる。加えて「付属 羊革」の文字。

シャツでこの文字といえば、と思って袖をみたら、やっぱり!


カフ部分にセリエと呼ばれるボタンが付いてて、取り外しのできるレザーで留める仕様になってました。以前清水ダイブしたストライプシャツと同じです。

買ったときは気づかなかったんですが、シャツの色に合わせてレザーのステッチの色を変えてるとは…。いやはや、なんとも芸が細かい。
ソルドでシャツを買い求める金額ではないなとは思ったものの、買っとかないと後で後悔しそうだから、結局南極 他のアイテムとともに抱えて レジに並んでいました…(笑)。
で、買ってみたものの 洗濯のこととか考えてたら なかなかおろすタイミングがなく、知らぬ間に忘却の彼方へ。
この寒さのおかげで 運良くパンドラの箱から救い出され、タグを外して1度洗濯。そこからは八面六臂の大活躍! 僕のワガママこじらせボディを優しく包み、ヌクヌクにしてくれています。
あっ、優しく包むと言えば、アレってドコに仕舞ったかな……
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Ryutaro Yanaka