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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

2021年10月14日、レクサスは、フルモデルチェンジした新型「LX」を世界初公開した。日本での発売は、2022年初頭を予定している。「LX」は、1996年に北米で発売開始されて以来、これまでに世界約50か国、累計約50万台(2021年8月末時点)が販売されてきた、レクサスのフラッグシップSUVだ。4代目となる新型LXの特徴と魅力について、ご紹介しよう。

 

■キープコンセプトながら細部をブラッシュアップしたエクステリア

新型LXのエクステリアデザインについて、レクサスは「本格オフローダーとしての走破性を考慮しつつ、圧倒的な存在感を狙ったプロポーションを目指した」としている。

レクサス史上最大の22インチタイヤを装着し、Aピラーを車両後方へ引く、キャブバックワードデザインを採用したことで、キャビンが強調されたスタイリングへと進化。新開発したプラットフォームを採用しつつも、歴代モデルの走破性から培った、ホイールベースの黄金比「2850mm」や対地障害角は継承。守るべきものは、しっかりと守っている。

新しいスピンドルグリルは、7組のフローティングバーで立体形状がつくられており、フレームの無いシームレスな構成となった

新しいスピンドルグリルは、7組のフローティングバーで立体形状がつくられており、フレームの無いシームレスな構成となった。また、ツインターボエンジン搭載をうけて、高い冷却性能も狙った形状となっている。また、バンパーサイドのラジエーターグリルも、冷却性能を確保するため開口部は大型化され、最大限の整流効果が得られる形状となった。

レクサス最大サイズとなる22インチ鍛造アルミホイールは、ブラックと切削光輝のコントラストが、車格に相応しい存在感のある足元を演出している

リアデザインは、レクサス従来の「L字ロゴ」から、新型NXと同じく、「LEXUSロゴ」へと刷新している。リヤコンビネーションランプも、フロントからショルダー、そしてリヤのシルエットにまでつながったライン上に配置されており、L字形状と一文字を組み合わせた新形状となった。

 

■インテリアは使い勝手を向上、4人乗りの「EXECUTIVE」も新設

インテリアの進化も素晴らしい。より運転操作に集中できるよう、運転席周りは特に作り込まれている。フロントウィンドウからサイドウィンドウまで、広い前方視界を確保し、メーターへと自然に視線が向くように、レイアウトが工夫されている。視界移動を最小限にするためのヘッドアップディスプレイも搭載される。

清潔感のある運転席周り。センターコンソールが、前席シートの幅と同じくらいある。車内の広さが想像つくだろう

また、ナビ画面には、12.3インチの大型タッチディスプレイが。走行系スイッチは、センタークラスターの手の届きやすい位置に配置されており、ダイヤルやトグル、スイッチの形状や操作感に変化をつけることで、オフロード走行時の揺れる車内においても、ドライバーの押し間違いが少なくなるよう、考慮されている。

ナビ画面は12.3インチの大型タッチディスプレイ。マルチテレインセレクトなどの走行系スイッチは、センタークラスターの手の届きやすい位置に配置、クライメイトコントロールなどのスイッチは、7インチタッチディスプレイ下に配置

7人乗り仕様では、3列目シートにも電動リクライニングを装備。LEXUS初となる「マルチシートオートアレンジ」では、荷室のオートアレンジスイッチの操作によって、フロントシートも含む全てのシートが動き、広大な荷室を作り出す「ラゲージスペース拡大機構」や、セカンドシート肩口のスイッチを押すことによって、セカンドシートを電動で折りたたみつつ跳ね上げ、サードシート(7人乗り仕様)への乗降性をより容易にする「ウォークイン機構」を設定した。

3列目にも電動リクライニングを設定。スイッチ操作で、「ラゲージスペース拡大機構」や、セカンドシートを電動で折りたたみつつ跳ね上げる「ウォークイン機構」ができる、マルチシートオートアレンジも備わる

さらには、後席空間の拡充と寛ぎに重点を置いた、4座独立式シートの「EXECUTIVE」グレードも新設。2列目シートは最大48度まで傾けられるリクライニング機能と、レッグスペースは最大で1000mmにもなる。3列シートでも余裕ある車内を2列シートで占有するのだから、その広さは想像つくだろう。中東のエグゼクティブや、政府高官が後席に座るような、ハイヤー的な使い方を想定しているのだろう。

後席空間の拡充と寛ぎに重点を置いた、4座独立式シートを備えた「EXECUTIVE」グレードも新設。2列目シートは最大48度まで傾けられるリクライニング機能と、レッグスペースは最大で1000mmにもなる

 

■電子制御の力で飛躍的に進化した「悪路走行性能」

どんなに厳しいオフロードシーンからも、「生きて帰ってこられるクルマ」として開発された300系の新型ランドクルーザーと同じく、新型LXもまた、走破性向上に注力されて開発されている。車体強度や車体剛性は維持・改善しながらも、約200kgもの軽量化を実現した新GA-Fプラットフォームを採用。シミュレーション技術向上によって、車体設計は大きく進化したそうだ。

また、クルマのパーツの中で最も重たいエンジンユニットを、先代よりも後方配置したことで、車両前後重心点がややリヤ寄りに。また、エンジンのダウンサイジング化による軽量化や、新AHC(Active Height Control suspension)の軽量化、そして、ルーフをアルミニウム材料へと置換するなど、徹底した低重心化と軽量化が行われている。

ドアパネルやフェンダー、ボンネット、ルーフなどをアルミニウム材料へと置換し、徹底した低重心化と軽量化が行われている

なお、新採用となった3.5L V6ツインターボガソリンエンジン(V35A-FTS)は、最高出力305kW(415ps)、最大トルク650Nmを発生する。マルチホール直噴インジェクタ付D-4STの採用とロングストローク化、バルブ挟角の最適配置による高速燃焼と高効率ツインターボが、力強い低速トルクと優れた過給レスポンスを生み出す。また、10速ATの新採用によって、ギヤステップのクロス化、全体のギヤレシオのワイドレンジ化を実現しており、従来型に比べ、車両使用時の年間CO2排出量を、グローバルの全台数で約20%低減するという。

 

■まとめ

その他にも、新型LXには、数々の先進装備が備えられている。車高を調節できるアクティブハイトコントロールサスペンションや、路面や走行状態に応じて減衰特性を調節するアダプティブバリアブルサスペンション、新開発の電動パワーステリング、路面や走行状況によって6モード(AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK)から選択できるマルチテレインセレクト、オフロード走行をアシストするクロールコントロール、そして、LEXUS初採用の指紋認証スタートスイッチなどだ。

車両価格は現時点未発表だが、先代LXの日本円価格は1135万6481円~であることから、新型では1200万円クラスが予想される。また、300系ランクルでは設定のあったディーゼルエンジンは発表がなく、3.5L V6ツインターボ一本のみとなる模様だ。

砂漠を走る際のクロールコントロール機能。駆動力とブレーキ油圧を自動で制御し、凹凸の激しいオフロードや滑りやすい路面を走行するときに、ドライバーは、ステアリング操作のみで極低速走行が可能となる

ランクル同様、LXもヘビーデューティな使い方に耐えられるクロカンSUVだが、こうしたクロカンSUVにも、いずれ電動化の波はやってくる。世界的に、待ってはくれないカーボンニュートラルの要望に、LXおよびランクルがいつのタイミングで、新たなパワートレインを出してくるのか。今後もレクサス・トヨタの動向からは目が離せない。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:LEXUS
Edit:Takashi Ogiyama

レクサスLXの公式サイトはこちら



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