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CAR 得するクルマ生活

ナナマル・スープラ中古車相場高騰中! 一体どんな車だったのか?

安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

70スープラ、80スープラ、そして90スープラ。あなたにとっては、どのトヨタスープラがもっとも印象的だろうか。時代で考えるならば、50代前後の方にとっては青春真っ盛りに登場した70スープラ、30代~40代ではJGTCや2001年公開の映画『ワイルド・スピード』にも登場した80スープラ、そして現在では直近のDBスープラが印象に残っているのではないだろうか。

この3世代のなかで、現行であるDBスープラはもちろん注目モデルであるが、実は70スープラもいまひそかに注目を集めている。1986年に登場した70スープラは、すでに個体も少なく、80年代当時の若いころに憧れていた世代がいま購入する、という流れが起きているのだ。走行距離が短く、オリジナルの個体は1000万円のプライスタグを掲げるものもあるほどに、中古車相場も上がっている。

 

■伝統的なスポーツカーの美しいシルエット

端的に言えば、三代目となる70スープラは、セリカXX(1978-1986)の後継モデルだ。1986年のフルモデルチェンジのタイミングで、名称をセリカXXの北米名であった「(セリカ)スープラ」に改名した。

伝統的なスポーツカーの公式に則った「ロングノーズ&ショートデッキ」のサイドシルエットは非常に美しく、また、長いノーズの先端に装備したリトラクタブル・ヘッドライトも、絶妙にマッチしていた。未来的な雰囲気がフォルム全体から漂っており、そのカッコよさは現代でも全く色あせていない。

1986年2月に登場したスープラ3.0GTターボ。エンジンは7M-GTE型の3リッター直列6気筒ターボ(230ps/33.0kgm)を発生した

5ナンバーサイズの標準仕様のほかに、1987年にはフェンダーを膨らませたワイドボディ仕様も登場。また、ルーフも、脱着式のエアロトップが用意されていた。インテリアもこだわっており、デジタルメーターとアナログメーターを組み合わせた、未来的なデザインが施されていた。

 

■4種の直6エンジンを備えて誕生したスペシャリティカー

デビュー当初のエンジンは排気量2L直列6気筒NAのSOHCとDOHCエンジン、同じく2L直6のツインターボ、3Lの直6ターボ、と、いずれも直6の4種類。トランスミッションは5速MTと4速ATが用意されていたが、人気はMTに集中していた。足周りには、贅沢な4輪ダブルウィッシュボーン式サスで、電子制御サスペンションのTEMS(Toyota Electric Modulated Suspension)も用意。ロードホールディング性も高く、そして俊敏なハンドリングを得ていた。

1988~1993年で発売されていた、後期型の2.0GTは2リッター直6ツインターボ。最高出力は210ps/最大トルクは28.0kgm

1988年8月の一度目のマイナーチェンジで、前後のバンパーデザインを変更、3L車はすべてワイドボディ化された。また、国内レースの最高峰、全日本ツーリングカー選手権に参戦していたことで、ホモロゲーション取得用のために、3Lターボ車に大容量タービンを装着した500台限定のスペシャル版「3.0GTターボA」が発売された。

 

■スープラのスポーツ路線を色濃くした、2.5GTツインターボRの登場

また、1990年8月に行われた最後のマイナーチェンジでは、フェアレディZ、GT-Rなど、当時続々と登場した280馬力クラスのライバルスポーツカーに対抗するため、3.0GTのエンジンを、2.5Lツインターボ「1JZ-GTE(最高出力280ps/6200rpm、最大トルク37.0kgfm/4800rpm)」に変更した、「2.5GTツインターボR」を発売。

1990年8月のマイナーチェンジで登場した2.5ツインターボR。2.5リッター直列6気筒の名機、1JZ-GTE型エンジンは最高出力280psを発揮した

280馬力を発生する待望のニューエンジンに加えて、R専用のダークシルバーアルミホイール(タイヤはBSポテンザRE71 225/50R16)や、MOMO製のシフトノブとステアリングホイール、レカロシートなどによって「走り」に特化されたことで、当時の熱狂的なファンを虜にした。

元々は、「セリカ」の上級グレードとして誕生した、スープラ。2.5GTツインターボRの登場は、スープラのスポーツ路線をより色濃くし、その後トヨタのフラッグシップスポーツカーとして成長するポイントとなった。その後、1993年5月、80スープラへとフルモデルチェンジすることで、70スープラは幕を閉じた。

 

■70スープラの復刻パーツをGRが販売開始

70スープラは、生産終了から既に29年。個体は減りつつあり、良質の中古車を手に入れるのも難しくなってきた。憧れたクルマに乗ってみたい、手に入ったならばできる限り長く乗り続けたい、というオーナーの要望に応えたのが、「GRヘリテージパーツプロジェクト」だ。

A70は、フロントエンブレム(七宝)やリアエンブレム、ボディサイドモール、フロントドアガーニッシュ、ブレーキホース、クラッチマスターシリンダーなどが復刻されている

リクエストが多かった2000GT用パーツ復刻を発表したのが昨年2020年7月のこと。A70/A80スープラのパーツ復刻も、2019年5月のGRスープラ記者発表会にて発表されている。フロントエンブレム(七宝)やリアエンブレム、ボディサイドモール、フロントドアガーニッシュ、ブレーキホース、クラッチマスターシリンダーなどが復刻されており、パーツリストは徐々に増えていくという。

もちろん、すべての部品を復刻できるわけではなく、需要の高いパーツから復刻されることにはなるが、オーナーの声が次の復刻パーツを生み出す原動力になるというのは心強い。

こうなると、期待してしまうのが、古き設計を元に、現代の技術水準で作り上げたクルマの登場だ。70スープラのデザインのまま、衝突や環境対応ができたならば、どれほど魅力的になるだろう。TGRならばやってしまうような気もする。クルマファンとしては、他のメーカーでも、こうした動きが出ていくることを期待している。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:TOYOTA,GR
Edit:Takashi Ogiyama



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