ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
CAR 得するクルマ生活

ゲレンデバーゲンことメルセデスベンツGクラスの魅力を、歴史、性能、新・中古車相場から

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録
安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

ブームもあって、昨今は高級ブランドもSUVを続々とラインアップさせています。そんな高級SUVのなかでも、ひと際強いオーラを放つ一台が、「メルセデス・ベンツ Gクラス」。Gクラスはメルセデスの乗用車における唯一の本格オフローダーでありながら、世界中のセレブを魅了する孤高の存在です。

見た目はタフで男性的な雰囲気のGクラスですが、なぜセレブに人気なのでしょうか。Gクラスの歴史を振り返りながら、その魅力に迫ります。

 

■メルセデスの本格オフローダー、Gクラスとは

Gクラスは、もともと高級SUVとして売り出していたわけではなく、そのルーツは「ゲレンデヴァーゲン(ドイツ語でオフロード車の意味)」というシンプルな本格オフローダーにあります。1979年2月に発表されたゲレンデヴァーゲンは、ラダーフレーム構造とリジッドアクスル、センターデフを備えたパートタイム4WDという、オフローダーの王道を行くメカニズムをもち、簡素なインテリアとスクエアな外観というパッケージングで、なんとも無骨なモデルでした。

このゲレンデヴァーゲンでメルセデスが目指していたのは「オンロードでも快適な本格オフローダー」。すでに同様のコンセプトで登場していたレンジローバーを相当意識して造られたと言われています。本格的なオフロード性能と快適性の両立によって、必然的にクルマの総合性能が高まったことで、すぐにヨーロッパを中心に多くの国で軍用車として採用されることになります。

1981年には全席に独立式のレカロシートをオプション設定、1985年にはフロント・センター・リアのデフロックを全車標準装備(それまでフロントとリアはオプション)、1990年に登場したW463型ではフルタイム4WDシステムとABS、そしてインテリアにはウッドが採用され、高級SUVとしての資質を徐々に高めていきます。

Gクラスの走行イメージ。本格的なオフロード性能とスクエアなスタイリングはアウトドアシーンにとても良く映える

世界のセレブが注目するラグジュアリーオフローダーへの道を歩み始めたのは、1993年に「Gクラス」と車名を変更してから。ゲレンデヴァーゲンの基本コンポーネントとデザインは継承しつつ、5.0L V8エンジンや電子制御デフロックの搭載、ウォールナットのウッドフェイシアと最上級の本革シートで包まれた上級グレードの設定、メルセデスAMG社のチューニングによる5.5L V8エンジンやサスペンション、エキゾーストシステムを備えた「G55L AMG」も設定されました。

価格もこのあたりから1000万円オーバーが当たり前のように設定され、メルセデスの最新モデルに搭載される安全機能や豪華装備が施されるようになりました。

 

■Gクラスはなぜセレブを夢中にさせるのか

Gクラスといえば、やはりスクエアなスタイルが特徴的。いかにもオフローダーというタフな印象があります。外ヒンジやほぼ平面のガラスなど、ストイックな仕様に機能美を感じつつも、どちらかというと趣味性の強い、男性的なイメージが強いモデルだと言えるでしょう。

しかし実際は、日本の芸能人はもちろん、ハリウッドスターや女性ファッションモデル、ミュージシャンなど、発信力の強いセレブがこぞってGクラスを愛用しています。きらびやかなアクセサリーとゴージャスな衣装を身にまとったセレブが、Gクラスのようなオフローダーに颯爽と乗る姿は不思議とカッコよく決まり、ただでさえ強いオーラがさらに強く感じられます。

ラグジュアリーなGクラスのインテリア。助手席のアシストグリップなどオフロード車ならではの装備はあるものの、内装の質感と装備は高級車そのも

本格高級オフローダーということであれば、トヨタランドクルーザーやレクサスLX、レンジローバーやディフェンダー、今ではブランドが消滅してしまったハマーなどが挙げられますが、これらをもってしてもGクラスほどのコーディネートが決まるとは思えません。Gクラスのレトロなデザインやツボを抑えたラグジュアリー、メルセデスというブランド力のハーモニーだけがつくり出せる、まさに唯一無二のものだといえるでしょう。

もちろん中東など、Gクラスのオフロード性能を必要とする地域もありますが、Gクラスには機能を超えた妙味と他の高級SUVには表現できないセンスがあり、そこに多くのセレブが惹かれ、ライフスタイルの発信用アイテムとして選ばれているわけです。「本格オフローダーなのにオンロードしか走らない」というオーバースペックでさえも、彼らにとってはアイテムの一つになっているのです。

また、社内外品でカスタムパーツがたくさんあり、自分だけの一台に仕上げていくのも楽しみのひとつです。

 

■どうしてもGクラスに乗りたい…!

現行型Gクラスの新車販売価格は3.0ℓディーゼルターボを搭載したエントリーモデルの「G350d」で1251万円、4.0ℓガソリンターボのトップグレード「G550」だと1705万円というプライスになります。

この価格帯となると、気軽に買える人は限られてきます。一般的に無理なくクルマを買うためには年収の半分程度を予算の目安にしたらいいと言われていますので、これを当てはめるなら、Gクラスは年収2000万円以上の人が買えるモデル、ということになります。

Gクラスに乗るのであれば、程度がよくきちんとメンテナンスされている個体を選びたい。維持費も考慮に入れた予算を組もう

新車がムリ、となると、中古車相場が気になるところですが、Gクラスは中古車市場でも非常に人気が高く、古くてもなかなか値段が下がらないモデルです。20年落ち、走行距離20万kmという条件でも300万円程度のプライスが付けられていますし、比較的年式が新しくて程度の良い個体を探そうとすると最低でも600〜700万円の予算は欲しいところ。ローンを組むにしても覚悟の必要な金額になります。

「Gクラスは本格オフローダーだから普通の乗用車より耐久性が高いから大丈夫」というイメージを持つ方もいますが、Gクラスには窓落ちやエアコントラブルといった電装系に係るトラブルが比較的多く、メンテンナンスや車検も一般的なクルマより高額。Gクラスを所有する人には、年間の維持費や修理費も加味した上で予算を決め、信頼できるショップで根気よく探すという心のゆとりも必要でしょう。

世界のセレブを魅了する孤高のラグジュアリーオフローダーGクラス。その個性と魅力は唯一無二であり、他の追随を許さない強烈なものです。セレブでなくても、オフロードを走ることがなくても、いつかは乗っておきたい魅惑の一台ですね。

Text:Tachibana Kazunori
Photo:Mercedes-Benz Japan
Edit:Takashi Ogiyama

メルセデスベンツGクラスの公式サイトはこちら



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5