ランクルよりラグジュアリー? 本国価格は同等レベル
発売直後で2年待ち。一体どういうこっちゃ? 新型ランドクルーザーに関して、こんなウワサが飛び交っています。公式HPでは納期に関し「1年以上、お待たせします。ごめんなさい」状態(筆者意訳)。ディーラーへ駈け込んでも予約すらできないかもしれません。
ランクルのような、オフロードのポテンシャルが高くて十分に街乗りに対応し、自他ともに認めるラグジュアリーなSUVってそうザラにはありません。しかも、性能とステータスを兼ね備えながらエントリー価格は510万円。トヨタ恐るべし! であります。
しかし、まったくライバル不在か? といえば否。ランクルはトヨタブランドの信頼性がありますが、世界のジープだって負けてはいません。走破性に関しちゃ折り紙付き。しかも、ブランド力はワールドクラスでランクルより歴史があります。そんなジープブランドから2022年モデルとしてこの秋登場するのが新型『グランドチェロキーL』(以下、グラチェロ)です。
まず初めに、使い勝手をイメージすべく大きさから検証しましょう。参考までに現行型グランドチェロキーとレクサスRX450hLもデータを掲載します。
【新型グランドチェロキーL】
ボディサイズ:全長5205×全幅1980×全高1815mm
ホイールベース:3090mm
※US仕様
【現行型グランドチェロキー】
ボディサイズ:全長4835×全幅1935×全高1825mm
ホイールベース:2915mm
【新型ランドクルーザーZX】
ボディサイズ:全長4985×全幅1980×全高1925
ホイールベース:2850mm
【現行型レクサスRX450hL】
ボディサイズ:全長5000×全幅1895×全高1710
ホイールベース:2790mm
4車並べると意外とレクサスRXってLだとデカいのね! って思いますが、新型グラチェロはランクルより全長で220mm、ホイールベースで240mm長いことがわかります。日本で取り回しがいいのは当然ランクルですが、全高は新型グラチェロの方が110mm低く、デザイン上、エレガントな印象が漂います。
新型グラチェロの日本導入モデルは現状未定ですが、本国のラインナップは3.6のV6ガソリン(最高出力294ps)、5.7LのV8ガソリン(最高出力362ps)、2L直4ガソリンターボ+2モーターのPHEV(システム出力380ps)と3つのパワーユニットがあります。
米国でのエントリー価格は38.635ドルから。ランクルはガソリンもディーゼルもV6ターボですから単純比較できませんが、内外装のデザインを写真で見る限りラグジュアリー濃度という点で新型グラチェロが勝っている印象です。マッキントッシュ(サウンドシステム)の採用はマニアが共感する部分かもしれません。
日本導入初年度の割り当て台数は判明しませんが、ランクルの納車待ちが1年以上ならジープを選ぶという選択肢は大いにありそう。いまや円熟期に入ったSUVは選択肢が豊富です。ご自身のフィーリングにあった最適な1台を見つけてください。
Text:Seiichi Norishige