クロスカントリー系SUVは多機能クロノグラフと同義語
いよいよ新年度を迎え環境が変わる皆さんも多いかと思います。ワタシは今だブツヨク衰えず! という感じで自分でもあきれてしまいます。
自動車業界の新年度といえば、まず思い浮かぶのは価格改定です。とくに輸入車の場合、為替変動がありますので(とはいえ随時改定とはいかず)、若干、値上げもあろうかと思います。
国産車も例の半導体不足が響いて、コレを見越した変更があるかもしれません。詳細は触れませんが、半導体に関する行政対応にはココで苦言を呈しておきます。
さて、近年の世界的人気車といえばやはりSUVですね。このカテゴリーはもっとも浮動票が多いので自動車各社も力を入れています。しかし、品数増えればアレコレ迷うのが人情。こんな時に選ぶべきSUVはズバリ、クロスカントリー系SUVです。
SUVの絶対数は前輪駆動の乗用車をベースに開発されたモデル。シティ派SUVとかアーバンSUVなどと呼ばれます。この手のSUVはトレンドに左右されるので一度飽きられてしまうと大失速。あっという間に古く見えてしまいます。
そんな時こそ不動票に支えられるクロスカントリー系SUVの出番です。熱く支持されるその要因は本格的なクルマ作り(構造)にあり、ラダーフレームという強靭なシャシーをもちます。つまり、ラジコンやプラモデルのようにシャシーにボディを合体させているだけなので、ボディが大破しても基本的に走行可能。もしもジュラシックパークを走るならコレしかありません。
簡単にいうとクロスカントリー系SUVは日本古来の伝統工法、太い柱のある住宅のようなもの。一方、主流のトレンド系SUVはツーバイフォー住宅のようにパネルで強度を保ちます。自動車に置き換えるとモノコック構造です。一見、たいしたことのない事故でも外部からの衝撃が車両全体に伝わり、走行に支障をきたす結果にもなりかねません。
さて、本題へ。今回は現存するクロスカントリー系SUVのご紹介です。しかし、超高額なメルセデス・ベンツGクラス、全幅2000mm超えのトヨタ・ランドクルーザー、モノコックだけどランドローバー・ディフェンダーは性能&価格面で捨てがたいと思いつつ、涙をこらえてバッサリ切り落としましたのでご容赦ください。
まず、輸入車の筆頭はジープ・ブランドのラングラーです。もういまさら説明の余地はありませんが、最新情報は2021年4月1日から5万円~10万円アップの価格改定が行われたこと。
ラングラーは焦って買うモデルではありません。というのも、カタログモデルでは選べない仕様(ボディカラーや装備の組み合わせ)で企画された限定車が不定期ですがチョクチョク発売されるから。
ボディタイプは2ドアと4ドアがあり、新価格は518万円~638万円。パワーユニットはガソリンエンジンのみで、2リッター直4ターボと3.6リッターV6があります。
国産のクロスカントリー系SUVの筆頭はランドクルーザー・プラドです。モデルサイクルを察すれば2022年にはモデルチェンジが行われるのでは? と思いますが、その人気は衰えず、キャンプ場に行けば最上段からマウントできる構図とか。同社人気のハリアーとはオーナー像から違いがあります。
エントリープライスは2.7リッター直4ガソリン車が362万1000円、2.8リッター直4ターボディーゼル車が428万5000円。思いのほかガソリン車のリセールバリューがヨイので体質的にディーゼルのフィーリングが合わない方はガソリンエンジン搭載車を選びましょう。
トヨタ車で最高のリセールバリューを誇るのがピックアップトラックのハイラックスです。パワーユニットは2.4リッター直4ディーゼル一機種。グレード構成も2モデルなのであまり迷うこともなさそう。価格は上位のZが387万6000円、エントリーモデルのXが347万1000円です。
ライフスタイルを重視するこの手のモデルは従来、逆輸入モデルが主流でした。しかし、トヨタは2017年からこのハイラックスを正規モデルとして導入。現行モデルは昨夏にマイナーチェンジを行ったアップデート版が発売されていますので鮮度も申し分ありません。インテリアのクオリティも十分です。
ラダーフレーム構造のシャシーをもつクロスカントリー系SUVでもっともコンパクトなのが軽自動車のジムニーです。維持費も安く趣味車として買い足すにも好都合でしょうか、コチラも人気者なので最新納期は販社へ直接お問い合わせください。
軽自動車じゃパワーが足りないという方はジムニー・シエラを。こちらは1.5リッター直4エンジンを搭載します。基本となるボディは軽自動車のジムニーと変わらず、ワイルドなオーバーフェンダーなどエクステリアデザインが若干異なります。あとはお好みで。どちらもご予算200万円でブツヨク成就の1台になるかと思いま
今回取り上げたクロスカントリー系SUVはいずれもリセールバリューが高く、フルに保証が付いた新車購入でメリットが最大となります。悪路走破性の高さは宝の持ち腐れかもしれませんが、それは機械式クロノグラフ時計と一緒です。クルマの使い方に差はあれど満足度は天下一品。アレコレ迷うならサバイバル性能の高いクロスカントリー系SUVを選んでおきましょう。
Text:Seiichi Norishige