CAR 得するクルマ生活

【実は違反?】左折時に右に膨らむ「あおりハンドル」車が迷惑だけですまされない理由

安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

「危険な運転」といえば、飲酒運転、速度超過、あおり運転などの車間距離を保持しない運転、信号無視、逆走などの通行区分違反などが挙げられます。これらはもちろん取り締まりの対象であり、しっかりと順守されているかたが、ほとんど。

しかし、これ以外にも、実はとても危険な運転があります。左折時に、いったん右へ振ってから左へ向きを変える運転、通称「あおりハンドル」です。

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「あおりハンドル」は、運転のテクニックなどではない 危険で迷惑千万な行為

この、あおりハンドルをするドライバーの多くが、危険で迷惑な運転行為だとは思っていないようで、普通の乗用車で、狭い道ではない、一般的な交差点でも、こうした運転をするドライバーを見かけることがあります。

なぜ彼らは、あおりハンドルをするのでしょうか。

 

■左折時の「テクニック」だと思っている

道路交通法第34条では「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない」とされています。自動車教習所でも、「左折時は、バイクなどの二輪車を巻き込まないよう、左側に寄ってから左折すること」と指導されたはず。

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内輪差の大きいトラックは右に膨らんで左折することが多いが、セダンやミニバンなど普通乗用車でそれをするのは間違っている @Getty Images

しかし「あおりハンドル」をするドライバーの多くは、そのことを忘れてしまったのか、いったん右へ頭を振ってから左へ向きを変えることを、内輪差で内側をひっかけることなく左折することができる「運転テクニック」だと思っているようです。サーキット走行だと、コーナーはアウト-イン-アウトで駆け抜けるよう、アドバイスされることがありますが、そこは公道です。

トラックなど、ホイールベースの長い大型車両がそのように左折していくことから、なんとなく「カッコイイ」と思っている、ということもあるかもしれません。

 

■あおりハンドルが危険なワケ

後続車両からすると、あおりハンドルは迷惑でしかありません。前走車が、交差点手前で左へウインカーを出せば「左折するのかな」と考え、直進する後続車は、若干右へ寄ってかわす、という場面も考えられます。そのとき、左折すると思っていた前走車がいきなり右へ頭を振ってきたら、どうなるでしょうか。

また、片側一車線の道路を左折する時に横断歩道上に人がいたら、一旦停止することでしょう。その際、右に膨らんだことで直進したい後続車は進行を妨げられ、渋滞を発生させてしまいます。できるだけ左側に寄り、後続車が直進できるスペースを作ることへの配慮がないのです。

二輪車にとっても、前走車が右へ頭を振ったため「直進できる」と思ったシーンで、「くるっ」と左へ向きを変えてきたら……。悲惨な事故へとつながる可能性がとても高いです。

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ウインカーを出さずに右左折することは、合図不履行違反となる

左折する際、左ウインカーを出していたとしても、右へハンドルを切った時点で、ウインカーはキャンセルされてしまいます。後続車にとっては、「左へ曲がろうとしたけど、やっぱり右へ行くのかな」という理解もできるわけです(そのように理解するのが一般的でしょう)。

この状態(ウインカーなしに)で左折することは「合図不履行違反」、二輪車を巻きこんだ事故となった場合、過失割合が相当高くなることは避けられません。

 

■挙動不審だと思ったら「様子をみる」

事故に巻き込まれて、いいことは一切ありません。もし、前走車の挙動不審に気づくことができたら、「普通はこうするはず」ではなく、危険予知をし、様子をしっかり窺ったうえで、行動に移るようにしましょう。クルマの運転で、もっとも危険なのが「焦り」や「いらだち」。先を急ぐあまり、素早くかわそうとするほど事故リスクは高まり、苛立てば、逆にこちらが、分が悪くなることも考えられます。

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事故に巻き込まれないよう「危険予知」は常に働かせよう

しかしながら、当然、悪いのはあおりハンドルをするドライバーのほう。スピード違反や一時停止などばかりではなく、このような危険な運転行為をしっかり取り締まる、ということも、もうちょっと積極的にやってもらいたい、と考えます。

ドライブレコーダーで、こうした「あおりハンドル」をしている様子が撮られた映像がたくさん出回っていますので、ぜひ一度見てみてください。そして、もし彼方の知人が、そうした運転をしていたら、そっと「その運転、周りに迷惑だよ」と伝えてあげてください。安心安全なカーライフを過ごしたいものですね。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:AC
Edit:Takashi Ogiyama

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吉川賢一ポートレート吉川賢一(自動車ジャーナリスト)1979年生まれ。元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。


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