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同乗者を酔わせない車の運転3つのポイント

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

コロナ禍で、これまで電車を使うことが多かった方も、クルマを利用する機会が増えているようです。普段乗り慣れないせいか、クルマをぎくしゃくとした動きにしてしまい、気づかないうちに、同乗者を乗り物酔いにしてしまうことがあるようです。

今回は、クルマ酔いしやすい同乗者でも酔うことなく、さらには「運転うまい!!」と思ってもらえるような運転をするために、おさえておきたいポイントを3つご紹介。さらに、運転上級者を目指す方へのトレーニング方法にもふれたいと重追います。本稿を参考に、あなたのカーライフをより楽しいものにしていただければ、幸いです。

 

■クルマ酔いの仕組み

クルマ酔いは、よっぽどひどい方でなければ、運転方法である程度回避することができます。「クルマで酔う」仕組みは、三半規管内のリンパ液の状態と、目から入ってくる情報とのズレによって引き起こされる、といわれています。

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クルマ酔いは、よっぽどひどい方でなければ、運転方法である程度回避することができる

特に、上下の揺れで酔いやすいのは、三半規管のすぐ傍にある、「耳石器(じせきき)」という速度や重力(加速度)を感知する器官からの情報と、目から脳に送られる情報とのズレによって混乱が生じるためです。クルマで走行中に、車内で本やスマホを見ていて、「目の前の本は揺れていないのに、頭は上下や左右に揺すられる」状況になるとすぐに酔ってしまうのは、これが理由です。

同乗者は、されるがまま頭が揺すられるため、クルマ酔いを起こしやすいですが、ドライバーは、自分で運転しているために動きにある程度対応できるため、酔いにくいです。同乗者を酔わせない運転操作としてよく耳にするのは、「急がつく操作をしない」ですが、ここではもう少し具体的に説明をします。

 

■ブレーキは止まる瞬間に「ちょっと抜く」

「このドライバーさん、あまり運転が得意ではないな」と、直ぐに分かるのがブレーキのかけ方です。いわゆる「カックンブレーキ」にならないようにするためのコツは、クルマが止まる瞬間にブレーキを踏む力を「ちょっと抜く」こと。これで「ガクン」とくる衝撃をグッと減らすことができます。

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いわゆる「カックンブレーキ」にならないようにするためのコツは、クルマが止まる瞬間にブレーキを踏む力を「ちょっと抜く」こと

この「止まる瞬間のブレーキ踏力をちょっと抜く」効果を体感できるのが、日産ノートe-POWER。先代の日産ノートe-POWERでは、Bモードへ入れてワンペダル走行の際、アクセルペダルをオフにすると、徐々に減速し、止まる直前で減速の強さを緩め、「カックンブレーキ」とならないようにしてくれる制御があり、本当に滑らかに停止することができます。

また、カックンブレーキになりやすいドライバーは、ブレーキペダルの踏み方が荒いこともそうですが、前方をぼんやりと見ていることが多いようです。前走車がいるシーンならば、前の前のクルマの動きを見て前のクルマの動きを予見し、早め早めのブレーキを心がけることも大事。

さらに運転スキルを磨きたい方は、減速をし始めてから停車するまで、減速の加速度を一定にすることにチャレンジしてみてください。これが出来れば、ブレーキングに自信をもっていいでしょう。意外と難しく、ブレーキペダルの踏力を、わずかに調節する足技が必要です。自動車メーカーのテストドライバーでも苦労をする足技のひとつです。

 

■アクセルは「足の親指でコントロール」

クルマ酔いの原因となるアクセル操作、というと、アクセル操作が荒いこと、を思い浮かべるかと思いますが、実はもうひとつ、「車速が速いこと」もクルマ酔いを引き起こす原因となります。

例えば、道路のうねりやギャップを乗り越える際などに起こる、上下方向のふわつきは、同じ道でも、車速が高いほどに大きくなります。また左右方向も、車速が10%高いと1.2倍、20%高いと1.45倍、30%高いと1.69倍と、速度の2乗で大きくなります。普段は60㎞/hで走っているコーナーを、20%ほど速い72km/hにしただけで、身体が受ける左右加速度は1.45倍です。

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アクセルペダルワーク以前に、「車速が速いこと」もクルマ酔いを引き起こす原因となる

このように、速度が上がるほど揺れは大きくなります。同乗者を酔わせたくなければ、アクセルペダルの操作を丁寧にするのと同時に「速度を出しすぎないこと」にも、配慮する必要があるのです。

さらに運転スキルを磨きたい方は、車速変動を起こさないよう、スピードコントロールをする方法をトレーニングしてみてください。微妙なスピードをコントロールするためのテクニックとしては、足首に力を入れるのではなく、靴の中の足の親指のわずかな力のかけ具合で、アクセルペダル操作を補うことです。1ミリにも満たない幅で、踏みこむ量をコントロールできれば、クルマはまるで新幹線のようになめらかに進む乗り物となり、同乗者は酔いにくくなります。

 

■ハンドルは「ゆっくりと、最小限に」

ドライバーのスキルが最も表れやすいのは、実はハンドル操作。同乗者のクルマ酔いを防ぐには、とにかくハンドル操作をゆっくりと行うことです。右左折をする際やコーナーを抜けるとき、白線のど真ん中を走ろうとしていませんか。もちろん、白線内の左右どちらかに寄りすぎて対向車や後続車に迷惑をかける行為や、ましてやはみ出したりする行為はNGですが、ど真ん中を走る必要はありません。自然な範囲で大きく弧を描いて曲がるようにすると、なめらかなコーナリングができます。

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同乗者のクルマ酔いを防ぐには、とにかくハンドル操作をゆっくりと行うこと

さらに運転スキルを磨きたい方は、左右加速度の変動をなるべく小さく抑えられるよう、交差点やコーナー、高速道路でレーンチェンジをする際のハンドル操作を、「最小限で止める」トレーニングをしてみてください。少ない操作量で曲がるには、コーナー手前からハンドルを切る必要があり、また、事前に車速を落としておかないと、大きなハンドル角が必要になってしまいます。車速のコントロールと、指先のわずかな力の入れ具合で旋回Rをコントロールすることができれば、一目置かれるような、ドライビングスキルとなるはずです。

Text:Kenichi Yoshikawa
Edit:Takashi Ogiyama
Photo:AC

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吉川賢一ポートレート吉川賢一(自動車ジャーナリスト)1979年生まれ。元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。

 



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