【惜しいよオトコその55】心がけは素敵だからこそ残念すぎる! テガーキ・モッタイナイ氏
ほとんどの要件はメールやLINEなどで済ませることができてしまう時代。だからこそ“手書き”の価値が高まりますよね。ところが……?
お得意様へのお手紙。あとはサインをするだけ。
「いや、これはやっぱり直筆の手紙にしよう!」あらっ、そのお気持ち、社長格好いいですね!
でもなんだか、手紙を書くのに心がこもっていないような……。
だいぶ前に購入した便箋なのか、よーく見ると紙が黄ばんでる? うっかり誤字脱字もあったりしたら……せっかくの直筆手紙も逆効果。
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久しぶりに目にする直筆のお手紙。ドキリとしますよね。でもそのお手紙に誤字脱字があったり、便箋が古いのかヨレていたり黄ばんでいたりしたら……。心がけは素敵なのに最後の詰めが甘くて残念になってしまうテガーキ・モッタイナイ氏を今週はご紹介いたします。
ふだんのメールの文章は言葉足らずでそっけない感じがしていても、お手紙を丁寧に書かれる方はとても魅力的。字が上手い下手はあまり関係なく、真剣な思いが伝わってきて、何とかお力になりたいと思ってしまいます。
反対に、話し言葉やメールの文章では人の心を打つのに、何かの拍子に乱雑な字を目撃してしまった時はショック! 例えば、資料に添付された付箋の文字が雑すぎて解読できない、封筒の宛先と名前の文字に修正した箇所が多すぎるなど。
もしかしたら気を許してくださっているのかもしれませんが、
いい加減な人かも……という印象を持たれてしまう確率のほうが高そうです。
誤字があったり、修正ペンで消したところがそのままで文字が抜けていたりするウッカリやさんも惜しいですよね。
ちなみに、書き間違えてしまった相手のお名前に二重線を引いて書き直すことは、相手の顔に二重線を引いているとみなされることもあるそうです。何も知らなかった若い時は、私も二重線を引いたりしておりました……反省です。
間違えたところを毛虫にしてごまかすのも流行りましたよね。ご存じでしょうか?
直筆でお手紙を書く方は少なくなってしまったと思いますが、個人的には、特にお礼状などはテンプレートを使ってプリントしたものよりも手書きのお手紙の方が嬉しいです。
手紙を出す頻度が減っている今、自宅にハガキや便箋があったとしても「これいつ買ったのだっけ?」ということも多そうです。時々新しいものに買いかえるようにすると、運気もあがりそうですよね。手書き族が減少している今こそ、気絶の手書きお手紙はビジネスチャンスにつながると思います。
理想は、鳩居堂の便箋で手紙をくださる方。花柄の一筆箋を季節に応じて使い分けてくれる光源氏のような方に気絶です。
それでは次回の「惜しいよオトコ」もお楽しみに〜。
Illustrations: Akiko Hiramatsu
Edit : Yukari Tachihara
平松昭子 Akiko Hiramatsu
イラストレーター/ブロガー 雑誌やWEBサイトをメインに、ファニーでエレガントなイラストやエッセイを執筆する。一方そのファッションセンスが注目され、女性誌のファッションスナップページなどに多数登場。着物を愛好し、
オシャレでキュートなイラスト満載のHPはこちら! http://akikohiramatsu.com