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【大きければいいってものじゃない?】クルマの大型ディスプレイのメリット・デメリット

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

近年、どんどん大型化している車載ディスプレイ。もはや10インチオーバーは、当たり前になってきました。タブレットをそのまま搭載したような見栄えは、近未来のクルマを想像させてくれますし、地図が大きく表示出来たり、クルマのインフォメーションを一画面で表示できたりと、一見、大型のディスプレイはメリットばかりのような気がします。

が、実は、大きすぎてしまうと、デメリットも出てくるのです。

■大型ディスプレイを採用する代表的なクルマ

・テスラ モデルS:17インチタッチスクリーン
・同モデル3:
15インチタッチスクリーン
まるでパソコンの画面を縦にはめ込んだかのような存在感を放つ、大型ディスプレイ。ナビとインフォメーションを同時に表示することはもちろん、スマホと連携して、あらゆる操作をディスプレイ上で表示することができます。

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テスラモデルSの17インチタッチスクリーンテスラモデルSの17インチタッチスクリーン
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テスラモデル3の15インチタッチスクリーンテスラモデル3の15インチタッチスクリーン

・トヨタ ハリアー:12.3型大型ディスプレイ
ハリアーの上位グレードに搭載されている、大型ナビディスプレイです。ダッシュボードの最上段にレイアウトされていて、運転中の確認もしやすくなっています。

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トヨタハリアーの12.3インチ大型ディスプレイ新型ハリアーの12.3インチ大型ディスプレイ

・ホンダe:高精細12.3インチワイドディスプレイ中央の2画面)
ホンダeでは、5つのスクリーンを水平配置した、世界初のワイドビジョンインストルメントパネルが採用されています。サイドミラーもデジタル表示されており、ウッド調テーブルの上にディスプレイが置かれているかのようなデザインもおしゃれ。この、右から左まで続くディスプレイは、圧巻です。

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ホンダeの12.3インチワイドディスプレイホンダeの12.3インチワイドディスプレイ

・トヨタ プリウスPHV:11.6インチディスプレイ
プリウスPHVには、国産車では珍しく、縦型ディスプレイが採用されています。ナビ画面はかなり下まで表示される。視線がインパネの下方にまでいくので、ちょっと使いにくい、と感じることも。

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トヨタプリウスPHV 11.6インチ縦型ディスプレイプリウスPHV 11.6インチ縦型ディスプレイ

このほか、ボルボなどでも、縦型の大型ディスプレイが採用されています。

■なぜ昔は、みな同じサイズだったのか

もともと、AV一体型カーナビのディスプレイのサイズは、長きにわたり、ドイツの工業規格である「DIN」、これを上下に二段重ねた「2DIN」から設計された「7型」が採用されることが主流でした。

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ドイツの工業規格DINサイズのカーナビ

そこからメーカー純正ディスプレイとして、徐々にサイズが広がり、いまや10インチ以上が当たり前となりました。1DINサイズのナビゲーションディスプレイが、ニョキッと飛び出してくるギミックを、懐かしく感じる方も多いのでは。

■大型ディスプレイのメリット

地図の拡大縮小表示をしなくてもいいので手間が省けることなどに加えて、日産の「アラウンドビューモニター」のような、クルマの周囲を俯瞰映像で確認することができる表示も、非常に精細に映せるため、安全確認がとてもしやすいです。
さらに、画面が縦型の場合は、カーナビをヘッドアップ表示で使用する際に、先の交通状況を把握しやすくなります。

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プリウスPHV 11.6インチ縦型ディスプレイを操作する

■大型ディスプレイのデメリット

①運転中の集中力をそぐ原因となる
ディスプレイを見るつもりがなくても、画面が大きいと、否が応でも視界に入ってきてしまう可能性があります。純正ナビは、気になってしまうような無駄な動きがなく、シンプルな表示にはなっていますが、大きいことで視界に入りやすいこと、そして、運転中にナビを確認する際、視線の動きが大きくなってしまうことは、大型ディスプレイのデメリットです。

②タッチパネルになっていることが多い
大型ディスプレイの場合、ナビや、オーディオの操作だけでなく、エアコンやデフォッガーなどのスイッチも、ディスプレイに集約されていることが多いです。タッチパネルだと、画面を確認しながら操作する必要があるため、運転中に操作する必要のあるスイッチは、手探りで操作ができる物理スイッチのほうが良いと考えられます。

③車内の空調に影響する
車内での快適性維持にもっとも重要なのが、空調です。大型ディスプレイを採用すると、画面に場所を取られるためにエアコンの吹き出し口が適切な位置にレイアウトできず、ディスプレイをよけた隙間に配置されることになります。そのため、空調が効くまでに時間がかかる、といった場合もあります。

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カーナビとスマホを駆使して道案内する助手席の男性

■大型化だけではない、これがディスプレイの正常進化!!

前述したように、タッチパネル式の操作では、手探りでスイッチを探すことができず、運転中に操作することは困難です。そのため、エアコン温度調整や音量調節のような物理ボタンを廃止するならば、タッチパネルでの操作に加え、ディスプレイに触れずとも操作ができる、音声操作機能を拡張する必要があると思います。

また、センターのディスプレイが巨大化するよりも、ヘッドアップディスプレイの採用を増やしてほしいところ。ヘッドアップディスプレイに表示されるような、最低限の情報だけのほうが、ドライバーにとっては、運転に集中することができ、安心安全です。
メーター表示も、ドライバーの好みに合わせ、シンプル表示モードがあるとなおいいです。ホンダeのドライバー前のメーター表示は、極力シンプルにまとめている良い事例だと思います。

■まとめ

ド派手でカッコよく見える巨大ナビゲーションディスプレイですが、大きさをアピールするような、単なる「見世物」ディスプレイに惑わされてはいけません。適切なサイズと見合った機能があるのか、タッチパネルは使いやすいか、運転中に操作する必要のある機能は安全に操作ができるのか、そうした部分によく注意を払い、冷静にクルマ選びができるとよいですね。

Text:Kenichi Yoshikawa
Edit:Takashi Ogiyama

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吉川賢一(自動車ジャーナリスト)1979年生まれ。元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。

 



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