今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。©Seo Hiroshi
「ドクトル赤峰のファッション哲学とスタイルはよく分かったが、ドクトルを形成している“栄養分”を知りたい」──という声に応える赤峰幸生の衣食住に迫る連載。ドクトルの本拠地である梶が谷「めだか荘」から発信するのは、「AKAMINE Royal Line」からデビューする「AKAMINE CLASS SPORTS –STARTED 1968 TOKYO-」の詳報。日本のファッションにカツを入れる“赤峰流”がいよいよ動き出す!

「AKAMINE CLASS SPORTS –STARTED 1968 TOKYO-」のスタイリングを示すイメージボード
オーダー開始は12月上旬。無秩序状態のカジュアルをドクトル流に整理整頓
12月上旬にローンチ予定の「AKAMINE CLASS SPORTS –STARTED 1968 TOKYO-」は、ドレスの達人、赤峰幸生が初めて世に問う“カジュアルのビスポーク”。スーツスタイルを中心とするAKAMINE Royal Lineを着用している男性と、そのパートナーでもある女性に向けて、「オフの日に着る服をトータルコーディネート」して提案する。
新レーベルのAKAMINE CLASS SPORTS について、ドクトル曰く、たとえば、ポロシャツ(テニス)にカーゴパンツ(ワーク)を穿いて、M-65(ミリタリー)を羽織るという、「混沌として何でもありの世のカジュアルを整理整頓」しつつ、そのキーワードになるのは欧州のクラス・スポーツで、「クラス=暮らす」でもあるという。ちなみに、「1968」はドクトルが服作りを始めた年だ。

赤峰 AKAMINE CLASS SPORTSを構想しはじめたきっかけは、ずっとヴィンテージの服が好きで、「なぜ自分はヴィンテージが好きで、世界中を探し回っているのか?」という疑問だった。同じようにインコントロで企画を担当する宮内里佳もヴィンテージが大好きで、二人とも「人生の中にヴィンテージなくして自分にあらず」なんだよね。
AKAMINE Royal Lineのレディースラインで作った女性らしいシルエットのジャケットを着た宮内里佳は、「先生が世の中のカジュアルについて、ずっとなんとかしたいとおっしゃっていたのを知っていたので、AKAMINE CLASS SPORTSの話を聞いたときは、“ついに来たか!”と思いました」という。

ドクトルがカジュアルを見直し、AKAMINE CLASS SPORTSのベースとしたのは、ドクトルが5~6年前に作成した「体系図」で、スポーツを、競技・軍服・進化・ユニフォーム・作業着・意匠などに分類。さらに、競技ではゴルフ、テニス、ラグビー、乗馬、ヨッティング、クライミング、スキーなどに分けて、どんな海外ブランドが展開しているかまで記載している。
赤峰 自ら「表」を作ったのは、カジュアル全体を体系づけてスタイルを考えたいと思ったからで、それがAKAMINE CLASS SPORTS を作る“気づき”になった。

クラス・スポーツ=「貴族のひまつぶし」が、今の暮らしのカジュアルになる
AKAMINE CLASS SPORTSがいかにもドクトルらしいのは、欧州を中心とした貴族のスポーツにスポットを当てていて、ミリタリーやワークという切り口は一切ない。
赤峰 カジュアルを作っていくにあたって、第2次世界大戦前後のアメリカには全く興味がなくて、さらに、現代の服にもリアリティを感じない。一番刺激されるのは、1920、30、40年代の“時代の産業”として生まれたバーバリー、アクアスキュータム、グレンフェルなどのブランドとアイテムで、そこが今のヴィンテージの源流になっている。

ドクトルの中では、「20、30年代の欧州の貴族や上流階級などソサエティがはっきりしていた時代に、彼らが着ていた余暇スタイル」こそ、AKAMINE CLASS SPORTSが表現すべきものだと語る。
赤峰 貴族たちが余暇の中で楽しんでいた、テニス、クルージング、ホースライディング、ハンティング、ドライビングには、一つひとつのカテゴリーにカタチと意味がきちんとあって、まずそれをしっかり理解し、噛み砕いて整理していった。そして、現代性のあるコレクションにするために、AKAMINE CLASS SPORTSのためのオリジナルの生地を開発。フォックスブラザーズの生地なども交えながらスタイルを作り上げていった。

「ソックスまで赤峰流で合わせたい」という声を具現化するAKAMINE CLASS SPORTS
オーダーメイドのドレスラインAKAMINE Royal Lineと合わせ鏡のようなカジュアルラインAKAMINE CLASS SPORTSは、お客様のサイズに合わせて作るのは同じだが、「AKAMINE CLASS SPORTSは、メンズ/レディースラインを分けることなく、一つのカタチを共通で着られるサイズ設定にするのも特徴です」と宮内。
赤峰 ロンドンのショップで、バブアジャケットが下は6歳児用から上は身長190cmまで60サイズほど揃っているのを見たことがあって、それがヒントになっている。日本ではあり得ない、マーケットに存在しないことをやるのも赤峰流。
さらに、AKAMINE CLASS SPORTSでは、FORZA STYLEの読者やドクトルファンから熱望されている「ソックスまで赤峰流で合わせたい」を具現化。各スポーツの代表的なスタイリングに、赤峰流のカラーリングをピンポイントで絞り込んで、“そのまま着れば、まるでドクトル”を味わえる。テーブルの上にあるのがホーズ(ロングソックス)の色展開だ。

宮内 AKAMINE CLASS SPORTSは、先生が好きなグレーとブラウンを中心に、ホーズまでしっかりコーディネートできるようにスタイリングを組んでいます。アイテムは、カシミヤシルクのニットまでオーダーで作って、ベスト・コーディネートをご提案します。
赤峰 自分は色に対して過剰に反応するタチで、料理でも皿の上の盛り付けにはうるさいもの(笑)。スーツはジャケットとパンツのセットアップだから基本は決まっていますが、カジュアルの合わせは実は奥深くて難しい。AKAMINE CLASS SPORTSは、ベストなサイズ、ベストな素材、ベストな色の“完全パッケージ”で、もうカジュアルな着こなしに迷うことはありません!

インコントロ
梶が谷「めだか荘」
川崎市高津区末長2-36-16
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Photo:Riki Kashiwabara
Text:Makoto Kajii
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