「ドクトル赤峰のファッション哲学とスタイルはよく分かったが、ドクトルを形成している“栄養分”を知りたい」──という声に応える赤峰幸生の衣食住に迫る連載、第4回は、おなじみ梶が谷の「めだか荘」です。
この連載は、ドクトルとドクトルに学びを得ようとする若者が衣食住をテーマに語り合うという主旨ですが、今回は、ドクトルの事務所、インコントロに新たに仲間入りしたスタッフを紹介。「AKAMINE Royal Lineのオーダー数が増えてきたので、まずインフラを整えたい」と、赤峰さんが期待するスタッフの目に映るドクトルの魅力とは!?
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「British Vintage Fabrics Trunk Show」で好評を博した貴重なヴィンテージ生地
主人がFORZA STYLEの動画を観ていて、縁を感じました
赤峰 飯島美恵子さんは、大手アパレル会社に20年ほど勤務していたベテランで、インコントロでは「生産管理」を担当してもらいます。商品の検品と、縫製工場との連携などデリバリーの管理をやってもらう専任で、特に検品は、以前と比べて4倍のチェックポイントを設けて強化しています。
──インコントロでの仕事はいかがですか?
飯島 量産の既製服とは違い、一人ひとりのオーダーになるので、お客様も私たちも、服に思いが詰まっていると感じています。めだか荘には本当に全国からお客様がいらっしゃるので、「一生モノの洋服を、一点一点大事に作りたい」と毎日思っています。
──赤峰さんのことはご存知でしたか。
飯島 勤務していたアパレル会社でお顔を拝見したことはありますが、主人がFORZA STYLEの赤峰先生の動画を観ていて、縁を感じました。
──7月には英国のヴィンテージ生地を選べる「British Vintage Fabrics Trunk Show」がありましたが、お客様を見ていかがでしたか。
飯島 お客様はすごく楽しそうでした。赤峰先生のセレクトや着こなしに憧れて、めだか荘にいらっしゃるので、私も赤峰先生の世界観を崩さずに仕事をしていきたいですね。メンズドレスの知識の必要性も感じました。

インコントロで「生産管理」を担当する飯島美恵子さん
メンズドレスはこうやって生き残っていくんだなと思った
赤峰 やっぱり着てみないと分からないから、今、飯島さんのジャケットとトラウザーズを作っています。工場視察も連れて行きましたよ。
──飯島さんから見た「AKAMINE Royal Line」のオーダーの魅力は?
飯島 一人ひとり違って、一点として同じものがないのはもちろん、赤峰先生に選んでもらって作れることは非常に魅力的だと思います。スーツを作ると、シャツ、ネクタイ、ホーズまで組んでいただけるのは、普通のオーダーでは味わえませんね。
赤峰 「パーソナル」というのは、その人の“価値観というサイズ”に合わせて、どう包丁を入れていくかということ。飯島さんは、きちんと一人ひとりと向きあって作っていくことを勉強中です。
飯島 出来上がったスーツやジャケットを見ると、ものすごく丁寧に作られていて、お客様が喜ぶ姿が目に浮かぶというのはこういうことかと思いました。生地もどれも素晴らしくて、ウキウキしちゃいますね。

──飯島さんの好きな生地を一つ教えてください。
飯島 初めてインコントロに来たときに、「これ、素敵な生地ですね」とひと目惚れしたのがこのチェック柄です。既製ではない優しい風合いと色合いで、すごくきれい。フォックスブラザーズの生地ですが、赤峰先生から「女性のスカートを作ったらステキだよ」と言われたのも覚えています。
──こういうメンズドレスの世界はお好きですか。
飯島 お客様の中には、めだか荘の玄関を開けて、赤峰先生を見たときに、「本物だ!」とおっしゃる方もいて、私も面接のときにそう思いました(笑)。お客様と赤峰先生のやりとりを見ていると、「メンズドレスはこうやって生き残っていくんだな」と思います。スーツを着る人が少なくなればなるほど、その価値が上がっていって、テーラードの世界はどんどんピュアになっていくと思いますね。

飯島さんがひと目惚れしたフォックスブラザーズのヴィンテージ生地
成長が楽しみな高原健太郎は、めだか小学校第一期生の19歳!
──めだか荘でのオーダーでは、赤峰さんが採寸されるんですよね?
赤峰 もちろんそうですよ。アシスタントの高原をモデルに採寸してみましょうか。高原は、世田匡典さんのヴィンテージショップ『ストレイシープ』の川崎店でアルバイトをしていたんだけど、コロナの影響で、仕事もない、金もない状態になって、インコントロにやってきました。
高原 1年弱ほどストレイシープでバイトをしていました。赤峰先生は、FORZA STYLEのピッティの動画などを観ていて、一度会ってみたいとずっと思っていました。

──赤峰さんのどういうところに惹かれたんですか?
高原 赤峰先生は流行りに関係なく、服をスタイルとして語っているのに魅力を感じました。もともと流行りが変わっていくのが好きじゃなくて、高校のときからメンズテーラードに興味があり、基本として知っておきたいと思っていました。
──それなら最高の修行場所じゃないですか!
高原 7月に開催した「British Vintage Fabrics Trunk Show」のお客様を見ていると、服だけではなく、衣食住広く興味がある人が多くて、皆さん、ものすごくいろんなことに詳しくてビックリします。言葉では言い表せない大人がたくさんいらっしゃいますね。
赤峰 お客さんとは食べ物の話で盛り上がることが多いよね。

インコントロでアシスタントを務める高原健太郎さん
高原 自分はお客様にお茶を出したこともなくて、すべてが初体験なので、頭を使いますね。
赤峰 まぁ、成長が楽しみですね。「インコントロ大学の一般教養課程」として、挨拶をする、お茶を出す、後片付けをする、お礼状を書く、言葉遣いとか、25歳までにしっかり覚えろと言っています。そして25歳から30歳までが次のステップ。
高原 最近、赤峰先生に薦められて、フェリーニや黒澤明の映画をよく見ています。
赤峰 特に映画は、「昔のモノが新しい」んですよ。それが新しいかどうかは、50年後じゃないとわからないし、昔のモノには今の源流があります。
高原 礼儀作法も含めて、一つずつ頑張ります!

梶が谷「めだか荘」
川崎市高津区末長2-36-16
※株式会社インコントロは、8月8日(土)~8月16日(日)を夏季休暇のためお休みとさせていただきます。
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Photo:Riki Kashiwabara
Text:Makoto Kajii