今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。©Seo Hiroshi
このたびの台風19号の被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。 被災された皆様が一日も早く平常の生活に戻ることができますようお祈り申し上げます。
かくゆう私も、台風さなかの10月12日から14日まで開催した3回目のヴィンテージセール「AKAMINE VINTAGE SALE 3」の準備では大変な目に遭いましたが、来場いただいた皆さまから、「AKAMINE Royal Lineのオーダー内容を教えてください」という声を多くいただきました。
10月27日(日)午後1時から、「めだかの小学校」での、秋の「茶色拾い」集中特訓!もお楽しみに!

出来上がってきたばかりのAKAMINE Royal Lineの8つボタン2つ掛けダブルを着て
「AKAMINE VINTAGE SALE 3」を行って思ったこと
ヴィンテージセール「AKAMINE VINTAGE SALE 3」の様子は、こちらからご覧いただけます。
今回のセールには10代から20代の若い人も大勢いらっしゃいました。自分が着ていたシャツなどを廉価で出していたので、彼らはこぞって買っていきましたが、その様子を見て、「僕が着ていたシャツを、バトンを渡したよ」という気持ちになりました。いわば、“クラシックの継承活動”です。
百貨店や小売店は、「最近は若い客が来ない」というのが悩みですが、洋服のちゃんとした背景を知っている、知ろうとしている若い人たちは本物のクラシックを求めています。また、ヴィンテージセールに参加してくれたヴィンテージショップの「STRAY SHEEP」や「AWASE」などは、「赤峰ハウス=めだか荘」でのイベントなので、他の出張セールとは違った意気込みで集ってくれます。次回のセールもFORZA STYLEでご案内しますので、ぜひお越しください。

赤峰さんのインスタグラム掲載写真を飾ったディスプレイ。下にあるのは信楽焼の土鍋で、これで炊くご飯は絶品!
憧れていた英国に敬意を表した「AKAMINE Royal Line」
「AKAMINE Royal Line」の前に展開していたブランド「Y.AKAMINE(ワイ アカミネ)」は、日本人の名前で、イタリアのファクトリーのみを使い、“メイドインイタリー”のモノ作りに取り組んだ、当時では前人未踏のクリエーションの挑戦でした。ビームスなどセレクトショップなどで袖を通した方も多いでしょう。
そのY.AKAMINEの成功を経て、2004年から取り組み、2007年にスタートしたのがAKAMINE Royal Lineです。AKAMINE Royal Lineは、Y.AKAMINEから一転、「日本人による、日本のファクトリーを使った日本人の服」に取り組みました。自ら課した新たな挑戦です。
AKAMINE Royal Lineというレーベル名は、江戸後期から明治時代の近代立国の士たちが規範としたのは英国とその文化で、ロイヤルファミリーのスタイルが紳士の規範になっていることにも敬意を表して命名したものです。

「AKAMINE Royal Line」スタートまでに3年かかった理由
「日本人による、日本のファクトリーを使った日本人の服」でまず取り組んだのが「素材」です。服も食べ物も「材料が良くないと良いものは作れない」が私の信条ですから、毛織物の尾州や綿織物の泉州など日本全国を行脚しました。原毛や原綿にまでこだわって、紡績では番手や撚(よ)りの指定まで行い、納得できるオリジナル服地を追究しました。
次が「織り」です。織りは尾州にある希少なシャトル織機で織ることにこだわりました。ゆっくり織っていくシャトル織機は、高速織機と違って、緯(よこ)糸がカチャンと入ると、経(たて)糸がしっかり上下から噛むので、ガッチャンガッチャンといい音がします。上下からグッとしっかり噛むので、僕がこだわる綾目(あやめ)が立つ生地が生まれてきます。
素材を作るだけで1年半ほど仕込みがかかりました。AKAMINE Royal Lineでは、オリジナル服地の他に、日本では出来ない特殊な加工によるフォックスブラザーズのフランネルや、自分がヨーロッパで見つけて惚れ込んだヴィンテージ生地などを揃えています。

赤峰ワードローブ。ドクトル赤峰流の秋の「茶色拾い」の〆は、ホーズと靴!
アントニオ・リベラーノの仕事に日本的な要素をどう取り込むか
生地ができたら、次は「工場」です。服を仕立てる職人は私のパートナーですから、スーツの丸縫いが出来る職人と、小ロットでも縫える工場を探して、大阪に行き着きました。キャリア40年を超える職人は、今でも襟付けと袖付けは自ら手を動かします。次回の連載ではその工場を訪れて、AKAMINE Royal Lineの服作りをお伝えします。
工場が見つかったら、いよいよ「デザイン」です。メンズドレス界では、「赤峰といえば、リベラーノ」と言われていますが、アントニオ・リベラーノとは、まだ日本の顧客が少なかった頃に出会いました。彼は5歳から服作りに携わって、今年85歳になります。
アントニオは、リベラーノモデルしか作りませんが、僕の服だけ特注で「赤峰モデル」を作ってくれて、それが僕のスタイルになり、AKAMINE Royal Lineの下地になっています。アントニオは友人であり同志であり、ミラノウニカという生地展へ行くと、2人でツインを一部屋取って、いろんなことを話し合う仲です。
彼の好きなところは、一つのものに固執しないところです。自分の技術のベースはありますが、アメリカ的な機能性の良さも取り入れるし、ブリティッシュスタイルの本質も分かっている。そういうことを包括していながら、手で縫う技術は最高で、私の身体にハマるのはリベラーノなのです。
AKAMINE Royal Lineは、アントニオの仕事を参考にしながら、そこに日本的な要素をどう取り込んでいくかに挑戦するレーベルでもあります。

10月27日(日)午後1時から、「めだかの小学校」での、秋の「茶色拾い」集中特訓!でお会いしましょう!
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AKAMINE Royal Line
スーツ:価格16万円~22万円(納期2.5ヵ月ほど)
ジャケット:価格12~15万円(納期同上)
シャツ:価格3.5万円(納期1ヵ月ほど)※スイスのアルモ170番手生地
コート:19~23万円(納期2.5ヵ月ほど)
トラウザース:7万円~9万円(納期1.5ヵ月ほど)
「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちら「forzastyle.web@gmail.com」まで質問をお送りください。
ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com







Photo:Riki Kashiwabara
Text:Makoto Kajii
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