FASHION ― 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

職人魂が込められた「レザートランク」に大峽製鞄の真髄を見た

2019.9.27 2019.9.27
2019.9.27
ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

「20年で自分のモノにできる自信」がある人が選ぶ鞄

日本の鞄のトップメーカーである大峽製鞄(おおばせいほう)の先代社長には忘れられない思い出があります。昔、日本橋三越本店2階の紳士売り場の改装にあわせて、当時のバイヤーを集めて、いわゆる「赤峰塾」を開きました。本店でのイベントの時に先代と名刺交換をしたのですが、「なかなか趣味の良いツィードのジャケットを着ている親父だな」という印象を持ち、意気投合しました。それ以来、大峽さんの鞄を見ると、こういう革の鞄を「20年で自分のモノにできる自信」があるならぜひ持ちなさいと勧めています。ちなみに今日私が着ているモヘア100%のスーツは20年着ています。

手頃な回転寿司か、下ごしらえして職人がちゃんと握る寿司か

赤峰 大峽さんの仕事は先代からそうですが、「手間とヒマをかけて、数を稼がず、他が作れないものを作れるだけ作る」という精神が素晴らしい。

大峽 ありがとうございます。お客さんも職人志望者も、うちのホームページにある「丁寧な仕事をする、超一級の素材を使う、シンプルなデザインを採用する」に共鳴してくれる方がとても多いです。

赤峰 大量生産時代には手仕事は非効率とされましたが、今の時代は「非効率の重要性」が注目されてきています。最後に残っていくのは、鞄も服も食べ物も同じで、「量産か、手間とヒマをかけたものか」の両極端になっていきます。つまり、手頃な回転寿司か、下ごしらえして職人がちゃんと握る寿司かということです。

大峽 本当にそうですね。今日はたまたまですが、赤峰さんと履いている靴が同じメーカーで、腕時計もほとんど同種類のテイストで、二人ともまさに「職人が握る寿司」を身につけています。

スーツを着て、革靴を履いている人は革の鞄が当たり前

赤峰 男の装いと鞄の関係でいうと、鞄もトレンドの波に左右されるアイテムになりましたね。サラリーマンがナイロン製のリュックを背負っているのは、本当にヤバい。

大峽 確かに日本人が一番革の鞄を持たないかもしれません。イタリア人のビジネスマンは、革靴を履いている人は革の鞄を持っているのが当たり前です。新幹線に乗って、ジョンロブやエドワードグリーンの靴を履いているのに、網棚にはナイロンの鞄がずらりというのを見て、変わった風潮だな(笑)と思います。

赤峰 「軽くて快適」というのは今のメンズドレスでも大事なファクターですが、スーツにナイロンバッグを持つのはファッションではない。スーツを着るなら「スーツの礼儀=身だしなみ」が絶対必要です。

大峽 革のダレスバッグや本革のビジネスバッグからシワ一つない書類や契約書をお渡しするのはお客様に対する礼儀です。よれたナイロンバッグから取り出すのとは相手に対する思いやり度合いが根本的に違うということを理解してほしいですね。

赤峰 それでも「軽いバッグがいい」というお客さんの声も大事ですよね。

大峽 うちは革の鞄を作っていますが、「軽さ」は常に突きつけられた命題です。「重い鞄ほどいい」という人もいますが、重いより軽いのが良いに決まっている。ランドセルはグラム単位の争いで、軽さの研究は欠かせません。

赤峰 特に革は「革の良さを残す」ということが大事ですからね。

大峽 はい、ダレスバッグは“革味”が勝負なので、革自体の軽量化の余地はありませんが、芯材や中材は進化しています。革には厚さの基準値があって、むやみに薄くできませんが、作り手の頭には常に「軽さ」はあります。

赤峰 軽量になると女性が革の鞄を持つようになるというメリットもありますね。

大峽 今はサラリーマンがメインのお客様ですが、財布やSLG(スモールレザーグッズ)などで女性のファンも増えてきていますね。

日本で作れる職人は5人もいない「レザートランク」復活!

赤峰 またすごいレザートランクを作りましたね。

大峽 日本にはこのような箱物ができる職人は5人もいないんですが、このレザートランクは自信作です。馬の鞍(くら)はその昔、スレに強い豚革で作っていましたが、このトランクはイギリスの銘革「バーミンガムサドルレザー」を使いながら、その馴染みを残して、牛革に豚の型押しを施しています。革にグリースを塗っているのでとてもクラシカルな雰囲気が出ています。

赤峰 大峽さんならではの商品ですね。

大峽 うちの一番上手い職人が全ての工程を手作業で作りました。10月1日(火)まで、日本橋三越本店2階鞄・革小物売り場の大峡製鞄コーナーで受注を受け付けていますので、ぜひ実物をご覧ください。

赤峰 “職人魂”を感じますね。こういうものを実現することがすごい。


大峽製鞄「レザートランク」(受注品)88万円(本体価格・税抜)

大峽 良い職人というのは、前処理をしっかりして革をとても大事にします。「ちゃんとしまってあげないと革に敵(かたき)を討たれる」と、革を慈しむようにピシッと扱う。そうしないと、「製品を作る前に、革が暴れる」と言うんです。

赤峰 いや、さすがですね。きちんとした仕事で勝負が決まるわけだ。大峽さんは職人を育てるエネルギーも大変でしょう。

大峽 いや、職人が良い仕事をしてくれることで、「カバン職人になるなら大峽製鞄へ行こう」と来てくれます。

赤峰 良い仕事しているからこそですよ。今の若い人たちはモノの本質を見抜く力があるからね。これからの商品作りにも期待しています。


大峽製鞄 オークラブティック(東京都港区虎ノ門2-10-4 オークラプレステージタワー4階 TEL/FAX.03-3588-1191)

大峽製鞄株式会社

「AKAMINE VINTAGE SALE 3」開催決定!

川崎・梶が谷の「めだか荘」で、3回目のヴィンテージセール「AKAMINE VINTAGE SALE 3」が10月12日(土)・13日(日)・14日(月・祝)の3日間開催。
スーツ、ジャケット、コート、ブルゾン、ニット、ネクタイなどのメンズ商品のほか、レディース商品、書籍、雑誌などもラインナップします。

Akamine Vintage Sale 3
会期:10月12日(土)~ 14日(月・祝)

時間:10:00~18:00

会場:川崎市高津区末長2-36-16

 

「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちらforzastyle.web@gmail.comまで質問をお送りください。

ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Riki Kashiwabara
Text:Makoto Kajii

Author profile

梶井 誠
梶井 誠
Kajii Makoto

今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。©Seo Hiroshi

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赤峰幸生

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