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FASHION 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

「大峽製鞄で鞄を作りたい」という若者が増えてきている理由

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ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

大峽のランドセルを背負って学校に通った人も多いはず

こんにちは、赤峰幸生です。今回は、昭和10年に創業して以来、日本のランドセルメーカーの草分けとして、皇族御用達のランドセルでも有名な鞄メーカーの大峽製鞄(おおばせいほう)の専務、大峽宏造さんにご登場いただきます。大峽製鞄は長年にわたり本物の鞄だけを探求し続け、数々の賞も受賞している日本のトップメーカーです。


大峽製鞄 オークラブティック(東京都港区虎ノ門2-10-4 オークラプレステージタワー4階 TEL/FAX.03-3588-1191)

日本の鞄メーカーは、「赤いカバンは売れないだろう」と作らない

赤峰 9月12日にグランドオープンした「The Okura Tokyo」の直営店『オークラブティック』をさっそく拝見してきました。オープンおめでとうございます。

大峽 ありがとうございます。プレステージタワー4階のショッピングアーケード内にあり、前が銀座 英國屋で、谷シャツと大峽製鞄が並んでいて、メンズドレスがしっかり揃います。

赤峰 大峽さんの初の直営店ですよね。どうして今回出店されたのですか。

大峽 お客さまから「直営店を出してほしい」という声と、大峽製鞄の商品をもっと見てほしいという思いですね。百貨店の鞄売り場はどうしても定番のベーシックな商品になってしまうので、うちが得意としているヨーロッパの高級革を使ったカラフルなバッグやSLG(スモールレザーグッズ)があることを知っていただきたかった。日本の鞄メーカーは、「赤いカバンは売れないだろう」と作らないのですが、作ったら売れるんですよ。


新規開発商品のレザートロリー(価格未定)

赤峰 歴史と格があるオークラに出店されたのは正解ですね。

大峽 この直営店では、多色展開はもちろん、新規開発商品のレザートロリーなども投入していきます。

赤峰 大峽さんの確かな技術力と相まって、本当に色がカラフルで、きれいな品揃えでした。ロンドンの「スマイソン」を思い出しましたよ。

「職人になりたい」というメールが、月に一人は必ず来る

赤峰 本社と隣接する工場を拝見しましたが、職人さんが随分若いですね。

大峽 今の工場の平均年齢は40歳以下ですね。若手で一番上手い職人は、イタリアの鞄メーカーで修行していたのですが、ピッティ・イマジネ・ウオモ(以下ピッティ)に出展したときにブースに遊びに来て、「日本でこんな良い革で作って商売になるのか!」と驚いて、うちで鞄を作りたいと日本に帰ってきて、我が社を訪ねてきました。そういう人が多いですね。

赤峰 それは素晴らしいですね。自分の「めだか荘」にも20代の人が志願してきますよ。「クラシックを正しく教えてくれるところはどこだろう」と探してくるようです。

大峽 それも素敵ですね。あと、うちのホームページを見たり、大手百貨店で実物を見て、「職人になりたい」というメールが月に一人は来ます。「大峽で鞄を作りたい、モノ作りに携わりたい」と、新卒者も来ますね。若い人がモノ作りに目覚めつつあるようです。


スリムオーバーナイト 19万円(税抜)

赤峰 会社に入っても、モノが存在しないところで数字の話ばかりで、売れるか売れないかでしかモノや社会を見ていないことを嫌う若い人も多いでしょう。

大峽 「手に職をつけたい」、「技術の高いところで修行したい」という思いは強く感じますね。

赤峰 若い人のクラシック熱も高まってきているように感じます。


大峽製鞄 専務の大峽宏造さん

ピッティの会場で直に感じた、バイイングの「チャイナ・スピード」

赤峰 大峽製鞄さんはピッティに出展されてかなり世界的に知名度をアップされましたよね。

大峽 もともとは、うちの鞄を愛用されていた故・落合正勝さんから、「大峽の鞄ならピッティに出てもトップランクに行くよ」という勧めをいただいて、2011年10月の「80 Pitti Uomo」に本格出展しました。

赤峰 反応はいかがでしたか。

大峽 加賀友禅の鞄やコードバン製品、クロコダイルバッグなどを出展しましたが、バーニーズ ニューヨークとバーグドルフ・グッドマンのバイヤーがすぐ来て、釘付けになっていました(笑)。でも、私の方がビックリしましたが(笑)。

赤峰 彼らはしっかりした審美眼を持っていて、いわゆる“のれん”には惑わされませんからね。

大峽 本当にそうですね。バイヤーたちは驚いて、「日本でこれだけのモノが作れることを知らなかった」と言われました。ピッティをきっかけに『VOGUE ITALIA』のシニアエディターが日本まで取材に来てくれたり、フィレンツェの老舗セレクトショップ『Luisaviaroma(ルイーザヴィアローマ)』が買ってくれたり。

赤峰 ルイーザはフィレンツェのNo.1ショップで、自分がイタリアで生産していたブランド「Y.AKAMINE」も扱ってくれました。

大峽 あと、香港のジョイスのバイヤーは凄かったですね。その場でチーフが商品をチョイスして、即断発注。「これがウワサのチャイナ・スピードか」と驚きました。ピッティに出て勉強になりましたね。世界のマーケットがよく分かりました。

大峽製鞄株式会社

「AKAMINE VINTAGE SALE 3」開催決定!

川崎・梶が谷の「めだか荘」で、3回目のヴィンテージセール「AKAMINE VINTAGE SALE 3」が10月12日(土)・13日(日)・14日(月・祝)の3日間開催。
スーツ、ジャケット、コート、ブルゾン、ニット、ネクタイなどのメンズ商品のほか、レディース商品、書籍、雑誌などもラインナップします。

Akamine Vintage Sale 3
会期:10月12日(土)~ 14日(月・祝)

時間:10:00~18:00

会場:川崎市高津区末長2-36-16

 

「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちらforzastyle.web@gmail.comまで質問をお送りください。

ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Riki Kashiwabara
Text:Makoto Kajii



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