SUVでは実現しないミニバンの捨てがたい魅力
新たに施行された環境規制Euro 6d-TEMPに対応するため、一時的に販売が休止されていたメルセデス・ベンツVクラスが装いも新たに登場。いまのところ日本未導入ですが、そう遠くない次期に発売されることは間違いありません。
クロスオーバー車の選択肢は多いものの、輸入車で純粋にミニバンといえるのはこのメルセデス・ベンツVクラスとVWシャランの2車だけ。ともに3列シートとスライドドアを備え、ユーティリティにおいても国産ミニバンに引けを取りません。
新型Vクラスは、新たな排出ガス基準をクリアしつつも燃費が向上。新開発のディーゼルエンジンは、2リッターの排気量をもち、3タイプの出力をラインナップします。一方、VWシャランは1.4リッターのガソリンエンジンを搭載。また、ボディサイズも一回り小さいので、そのあたりも選択時の要素となるでしょう。
さて、今回の主役はあくまで新型Vクラスです。欧州仕様のデータですが詳細をお伝えしましょう。
New Mercedes-Benz V-Class
220d / 220d 4MATIC
エンジン:1950cc 直列4気筒ディーゼルターボ
最高出力:120kW(163ps)/4,200rpm
最大トルク:380Nm/1,200-2,400rpm
250d / 250d 4MATIC
エンジン:1950cc 直列4気筒ディーゼルターボ
最高出力:140kW(190ps)/4,200rpm
最大トルク:440Nm/1,350-2,400rpm
300d / 300d 4MATIC
エンジン:1950cc 直列4気筒ディーゼルターボ
最高出力:176kW(239ps)/4,200rpm
最大トルク:500Nm/1,600-2,400rpm
先に触れたように、エンジンは出力違いの3機種。駆動方式は後輪駆動(FR)と四輪駆動(4MATIC)が選べます。トランスミッションはどのタイプを選んでも9速AT(9G-TRONIC)です。ボディタイプは先代同様、サイズ違いの3つのグレードが用意されます。
Compact
ボディサイズ:全長4,895×全幅1,928×全高1,880mm
ホイールベース:3,200mm
Long
ボディサイズ:全長5,140×全幅1,928×全高1,880mm
ホイールベース:3,200mm
Extra long ※4MATIC設定なし
ボディサイズ:全長5,370×全幅1,928×全高1,880mm
ホイールベース:3,430mm
念のために強調しておくと、もっとも大きなExtra longですと四輪駆動(4MATIC)の設定がありません。CompactとLongはホイールベースが同じ数値ですから、全長差245mmはラゲッジスペース容量の違いとお考えください。この部分のプライオリティはライフスタイルで異なると思います。
その他、先代に引き続きキャンパータイプのMarco Polo とMarco Polo HORIZONもラインナップ。日本導入モデルは基本的には先代同様のグレード構成となることが予想されますが、いまは選択肢が多くなることを願うしかありません。
ミニバンにはミニバンのならではのユーティリティの高さがあります。都市部ではリムジンのような使い方もできます。なんといってもルーフが高いので車内の圧迫感がありません。また、一休みしたいときには前席から後席へ移動し、足を伸ばして休むことができるのでイロイロなケースで重宝します。
背の高いクルマの運転中、横風で怖い思いをした方もいらっしゃると思いますが、Vクラスには直進性をサポートしてくれる「クロスウインドアシスト」というシステムが備わり、ドライバーに安心と安全をもたらします。
SUV流行りの昨今ですが、ミニバンの方がラクに過ごせるケースが多々あります。クルマもますます進化していますし、あらためて見直されてはいかがでしょうか。使い方は十人十色。ミニバンの広い空間には夢がたくさん詰まっているのです(妄想)。
Text:Seiichi Norishige
メルセデス・ベンツ日本
0120-190-610(メルセデス・コール)
Mercedes-Benz V-Class (2019): Make Your Move