TOP > COLUMN > SONY元社員の艶笑ノート
BUSINESS ー SONY元異端社員の艶笑ノート

大事なことはみんな女が教えてくれた

SONY元異端社員の艶笑ノート「同じフロアに住む人妻の秘密」

2017.6.2
2017.6.2

スカパー 対 DirecTV もう一つの家電系戦争

任天堂VSセガVSプレステが「家庭用ゲーム機戦争」を繰り広げていた時代と相前後し、もう一つの家電系戦争が起きていた。スカイパーフェクTV(現スカパー)対 DirecTVの戦い、俗に言う衛星放送戦争だ。

今ではDirecTVは消滅し、スカパーだけになったので、もうみんな忘れてしまったかもしれないが、当時はどちらが業界を制覇するかで熾烈な勧誘合戦を繰り広げていた。

どちらもチャンネル数が何十とあり、充実したラインナップを揃えているが、違いがわからなかった。それに、チャンネル数は多いほうが良いように思われがちだが、当時の日本人にとっては多すぎた。ぼくもそうだったが、あの頃はしょせん3つか4つしかない民放のうちのどれが面白いかを考える程度で、いきなり何十ものチャンネルが見られると言われても、その感覚について行けず、ポカンとするだけだった。

実は、ソニーはスカパーのチューナーを製造し、パナソニックはDirecTVのチューナーを製造したように、一応の対立関係にはあったが、それはそれとして「どっちがいいんだろう」と社内でも話題になるほど、みんな決めかねていた。

しかし、考えていても結論は出ない。この際、店員さんに聞いてみようと量販店にやってくると、DirecTVのブースがあった。

ぼくは単刀直入に聞くことにした。

「ダイレクTVとスカパーと、どう違うんですか?」

すると、間髪入れず、彼は言った。

「ディレクTVです」

「あれ? ダイレクTVじゃないんですか?」

「違います。ディレクTVです」

何だか想定外のことになってきたと思った。名前はアルファベットでDirecTVと書いてあるので、ダイレクトを意味するDirectとTVをくっつけた名前だと思い込んでいた。
しかしセールスマンは違うという。

ぼくは混乱し、

「でも、空から電波がダイレクトに降ってくるんだから、ダイレクTVのほうが正しいんじゃないですか?」

「いや、ディレクTVが正しいです」

「でも、変な名前ですよ。日本人には発音しにくいし」

「それは日本人の発音が悪いだけです。正しいのはディレクTVです」

このやりとりでぼくはどんよりした気持ちになり、スカパーに入ることにした。

ダイレクTVが正しかったのかディレクTVが正しかったのか、今となってはどうでもいいいが、ほとんど同じサービスであったにもかかわらず、ダイレクTV(ぼくは今でもそう言っている)はその何年か後に消滅した。

マンションで浮気が発覚

そんなことが起きていた頃、ぼくは性懲りもなく、深川のマンションに住み、理事長を押しつけられていた。

理事長は2年交代の持ち回りのルールだったが、次の順番の家が引き受けてくれず、延長につぐ延長で、ぼくが3年目に突入した頃、同じフロアで浮気騒動が勃発した。

フロアには4つの部屋があり、一番奥の4号室に住むアラフォー夫婦のイケメンご主人が、奥さんの帰省中に女を連れ込んだのがバレたのだ。

むかし「Age35 会いたくて」というテレビドラマで、妻の田中美佐子の帰省中に夫の中井貴一が愛人の瀬戸朝香を連れ込んでいると、田中美佐子がフェイントで一日早く帰宅し、シャワーから出てきた瀬戸朝香と鉢合わせるシーンがあった。

それを見ていた会社の同僚が、

「旅行から絶対に早く帰っちゃいけない」

と結婚したての同僚に言っていたが、同じフロアでそれが起きたのだ。

ぼくに告げ口してきたのは別のフロアの奥さんだった。ある日マンションに帰ったところを呼び止められ、唐突に告げられたのだ。

しかも

「理事長なんだからしっかりしてほしい」

と文句まで言われた。
ただの名前だけ理事長のぼくに一体どうしろというのか。噂はまたたく間に広まった。それはマンション内だけに止まらなかった。近所のクリーニング屋のおかみまで知っていたからだ。

近所で評判のクリーニング屋の美人おかみ

彼女については少々説明が必要だ。こんな町に置いておいては勿体ないほど色気があったのだ。旦那がクラブかどこかで見つけてきたのか、クリーニング業界には悪いが、とてもクリーニング屋にいるような人ではない。今すぐ銀座にポンと出せば幾らでも稼げそうな感じの人なのだ。

いつも体の線がハッキリ見える服装で、胸元がぽっかり開いていた。古いハリウッド映画に出てくるマドンナのようでもあり、あるいは「ルパン三世」の峰不二子のようでもあり、そんな彼女はいつも体を大げさに動かし、とくに預かり物に札を付ける際に前かがみになる時など、本来は見えないはずのものがはっきり見えるほどだった。

この店にはとにかく男性客が多かった。

ぼくも、単にクリーニングに出しに来ただけなのに、どういうわけか口が勝手に動き、気づけばおべっかを言っていた。

「そんなこと言ってくれるの、松井さんだけよ」

彼女はそう言うが、他の男たちはもっとえげつない欲望丸出しのホメ言葉を言っているのをぼくは知っていた。中には手みやげ持参で来る身の程知らずもいた。要するに競争率が高いおかみだったのだ。

美人おかみの正体

ところがぼくは、思わぬ抜け駆けに成功した。ある日2つ隣の駅近くで買い物をしていると、偶然、彼女と出くわしたのだ。

「あら、珍しいわね。こんなところで会うなんて」

声をかけてきたのは彼女のほうだった。

「お出かけですか?」

「今日はお店が休みだから、ちょっとブラブラしていたの。松井さんは?」

「ぼくもちょっとブラブラしてただけ」

ウソだった。これから映画を見に行くつもりだったが、映画なんかいつでも見られる。

「お茶でもしない?」

「いいですね!」

人間は何かする際、堂々とするよりコソコソとするほうが喜びが増すと、エジプトだかどこだかの哲学者が言っていたが、わかる気がした。

二人で喫茶店に入り、向かいあって座った。知っているつもりでも、普段はしょせん客と店員の話しかしていない。お互いにどんな人間なのかはよくわからず、まるで初デートの高校生のように、趣味は何だとか、休日はどうしているのかなど話していた。

すると突然彼女が、

「そうだ、松井さんのマンションで浮気がバレた家があるでしょ?」

Page 1/2

WHAT's NEW

SPECIAL

view all
  • 49000円から干場義雅編集長のオーダースーツが作れる!タカシマヤ「スタイル オーダーサロン」とは?【PR】 2017.9.19 update

SELECT 10

CELEB

SNAP

FORZA FAMILYの連載コラムをいますぐチェック!

ランキング

HOT TOPICS

VIDEO