「健康を気にかけてもらえた上に、暇だったはずの時間が「有意義」に過ごせた、との印象を持ち、最終的に治療器を買うに至った母の姿がありありと想像できました。完全に懐に入り込まれていたんだなと」
その半年くらいあと、変わらず毎日のように電話で無事の確認を取り続けていたある日、千鶴さんの実母がふとこう言った。
「最近気に入ってるお店があってね、そこは行くたびにおまけをくれるのよ、と言うんです。私、新規オープンのお店か何かだと思い込んで、それも『ふうん』なんて聞き流してしまって…」
母はそこから数日間、電話するたびに「今日はトイレットペーパーが50円で買えた」「今日なんてメダカをくれたの」と不可解な報告をしてくるようになった。
「最初は聞き流していたんですが、だんだん心配になってきたので、次の3連休を使って行ってみたんです」
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