人口減少が叫ばれる中、介護保険料は年々上がっている。大阪市が全国最高額で前回の改定からなんと1155円も上昇したという。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「月額9249円で最も高い金額です。高齢者の増加、介護職員の人件費の高騰などが原因で、各自治体で保険料の上昇は続いています。子どもは減り続け、一方で高齢者が増え続ける日本の未来に不安しかありません」。
労働力の不足も深刻さを極める。
「共同通信の調査によるとコンビニ大手3社における外国人アルバイト従業員が8万人を超えるそうです。全体の1割を占め、増加傾向にあるとのこと。事態は非常に深刻ですね」。
今回は労働者不足がもたらす、最悪の結末を予感させる事態を取材した。
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角谷公平さん(仮名・57歳)は、神奈川県に住んでいる会社員だ。最近、気になることがあると話す。
「外国人の方がぐっと増えましたね。コンビニはもはや当たり前。真面目な方も多くて、感心することもありますよ」。
本格的なタイ料理やインド料理など、現地の人が作るレストランで食事を楽しむことも多いそうだ。それに対して気になるのは、子供の少なさ。
「娘が都内に住んでいるんですが、小学校は2クラスだとか。区によってばらつきはあるそうですが、人口減少を今後はさらにリアルに感じるようになるんでしょうね」。
そんなある日のことである。都内の娘の家を夫婦で訪ねて帰ってきたときのことだ。
「夕方5時頃だったと思います。駅前から少し離れたアーケードの入り口で中年の男と若者が怒鳴りあっている姿が目に入りました。酒飲んでたんじゃないですかね?中年の男は呂律が回っていなかったので…」。
物騒だなと思った次の瞬間だった。若者が中年に殴りかかったというのだ。
「中年の男はよろめいていました。野次馬たちはスマホを向けているだけで、警察を呼ぶ素振りはありませんでした。私も面倒に巻き込まれるのは嫌でしたが、素通りもできず、近くの交番に行ってみたんです」。
ところが交番の中はもぬけの殻。パトロール中というふだが下がっていたそう。
「近所のお店の方も出ていらしていて、結局その方が警察に電話をしてくれたんですが…」。
待てど暮らせど、警官はやってこない。そのうちに喧嘩はどんどんエスカレートしていったという。