2023年度の合計特殊出生率が1.20と過去最低を更新したという。とうとう東京では、出生率が1を切った。0.99だという。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「恐れていた事態がやってきたということでしょう。林長官はその要因を経済的な不安定さや仕事と子育ての両立の難しさなど、さまざまな要因が複雑に絡み合っていると表現していました。そんなことは今に始まったことではないと思いますけど」。
先日、厚生労働省が出産施設を探すための『出産なび』なるものをローンチして酷評されていたが、確かに誰でも調べればわかる出産できる場所の情報など、必要ない。欲しいのは出産するための環境である。
「長官は前例のない規模での少子化対策に取り組むとおっしゃっていましたが、実際不満の声は必至でしょうね」。
賃金はまるで上がらないのに、物価ばかりが高くなるこの世の中で一体、どんな対策を講じるのか。疑問、そして不満は拭えない。今回はリアルに子どもを産むか、産まないか悩んでいるというある男性に話を聞いた。
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小池大樹さん(仮名・38歳)は、結婚5年目。同い年の妻と子どもをもうけるか、毎晩のように話し合いをしているという。
「我々はマッチングアプリで出会いました。互いに条件をしっかりと見て選びました。だからかな?結構、細かいことまで話し合いで決める感じです。引越し先とか、支払いとか、家事の割合とか。実は一度、恋愛婚したこともあるんですけど、あのときのような、なぁなぁになる感じはあまりありません」。
大樹さんも奥さんも双方ともバツイチだそう。
「互いに子どもはいません。前婚でできなかったというのがリアルなところです。ですから、結婚当初から、いつかはと思っていました。ただ2人ともありがたいことに仕事はそこそこ充実しています。昇進したり、大きなプロジェクトにアサインしたり、となかなかタイミングが見出せず、結局ここまできてしまいました」。
これが東京のアラフォーのリアルだろう。
「すぐにできるとは思っていなかったので、当初から不妊治療を念頭に入れていました。これまで共働きでしたし、蓄えも少しはあります。なるべく早くできた方がいいと考えた結果、そのような選択をしました」。
不妊治療への参加に対しては、意見が割れることはなかった。しかし、出産後の子育てについて話し合いをしたことで、2人の関係に亀裂が入り始めているという。