「そもそも私は、プリントした資料はいりません。その上、人の分までしなきゃならないとか苦痛でしかない。とはいえ、20も年上の上司にそんなこと言えるわけもなく、仕方なくプリントアウトして持参します」。
そんなある日の会議での出来事だ。玲香さんはその日も渋々資料をプリントアウトしたそうだ。その上、上司からもプリントアウトを頼まれたらしい。
「もちろんしかたなく、プリントアウトしましたよ。20枚近くある資料を…」
こうして会議が始まった。玲香さんは資料は手元に置きつつ、タブレットでPDF上の資料に書き込みをしたり、メモをとったりしていたそうだ。すると上司がいきなり玲香さんのタブレットを覗き込んで、こういい捨てたというのだ。
−それじゃ、全体像が見えていないんじゃない?
「上司曰く、俯瞰でモノをみる力はそんなに簡単に養えないと。だからこそ、プリントアウトして資料を広げて比較する必要があると言われました。確かにグラフとかであれば、その必要もあるのかもしれないけれど、私からしたら、画面上の方がずっと楽。でも言い返すことはできないから、仕方なくその日は紙の資料を使いました」。
するとさらに上司は嫌味を言ってきたという。
−タブレットって遊んでいるみたいに見えない?
「はっ?って思いましたね。冗談のつもりなんだろうけど、マジで偏見極まりない。この上司、たぶんタブレットにペンでメモが書けることも知らないんじゃないですかね?自分のやり方だけが正しいと持っている、その価値観に違和感しかありませんでした」。
会議後、玲香さんは先輩に愚痴をこぼしたそうだ。
RANKING
1
2
4
5
2
4
5