「私がいろんな後悔や反省や悲しみを抱えているなか、夫は平然と普段の暮らしをしていました。その後、交際を続けて結婚までいったのは、見栄っ張りで負けず嫌いな夫の性格がそうさせたような気がします。うちの親に無責任な男だと思われたままでいたくなかったと思う」
ところが夫は結婚後、由真さんをさらに失望させた。大学を卒業して2年後に結婚してからは、「もういつでも堂々と妊娠できる」という理由で避妊を拒みだしたというのである。
「私が希望の会社に入れてはりきっていることを知っているくせに、産休も育休もあるんだから、いつでも子供を作ろうと言うので、は?と思いました」
夫が自分に何を求めているのか、由真さんはよくわからなかった。わからないまま結婚したことを悔やんだ。しかし、本能的に子供を作ってはいけない気がしたという。由真さんはむしろ、交際していた頃よりも、結婚後のほうが避妊に対する意識を高めるようになった。
「仕事ができるようになって段々面白くなっていくなかで、無計画に妊娠して、また中絶なんてことになったら、私耐えられないので」
一方、もともと避妊を嫌がっていた夫は、そろそろ子供を作ろうと頻繁に言うようになった。
「よっぽど避妊具をつけるのってイヤなんでしょうね。もうそればっかり言うので、彼との行為そのものもイヤになってきました。楽しくもないし、気分も盛り上がりません」
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