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クルマ好きに朗報!フェラーリから自然吸気の12気筒エンジン搭載モデルが爆誕です

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スタイリッシュでかっこいい「フェラーリ・ドーディチチリンドリ」

各自動車メーカーの電動化が進んでいます。ボルボやロータスが早いと思っていたら、ジャガーは2025年にフル電動化(BEV)と聞きました。もうジャガーエンジンはつくらないんですね。残念。セダンのジャガーXJやクーペのXJSに乗っていたことがあるので、その魅力を体感しています。3.2リッターV8、4リッター直6ともにいい感じでした。思いのほかキレイに回るというか。それに最近の5リッターV8もグッド。いやぁ、もったいない。

その点ポルシェは独自路線を貫きます。2030年に新車の80%をBEVにするという計画です。タイカンに続いてマカンエレクトリックが登場します。ただ、残り20%が気になりますよね。もちろんこの場合911のことでしょう。そこは聖域です。

なんて考えていたら、かなり興味深いモデルが登場しました。フェラーリ・ドーディチチリンドリです。なにがって、これだけ電動化を各社アピールする中、なんと自然吸気の12気筒エンジン搭載モデルをお披露目したんです。モーターが付いていないのは当然のこと、ターボチャージャさえありません。あらためて言いますと、クルマ好きがもっとも好む形式です。アクセルを踏んだ分自然に回転数が上がり、リニアに加速します。これが世界中のカーガイにはたまらないんですよね。エンジンのフィーリングを存分に味わえます。フェラーリ458イタリアが人気なのはそんな理由。4.5リッターV8はミッドシップV8フェラーリの最後の自然吸気となります。その次の488GTBは4リッターツインターボですから。

それじゃ自然吸気の12気筒エンジンはというと、現行モデルではプロサングエがそうです。フェラーリ初の背の高いクロスオーバー系モデルがそれを積んでいます。そしてその前は812スーパーファスト。実はそのあたりが当時「フェラーリ最後の自然吸気12気筒エンジン車」と語られていました。なので、812シリーズの人気はかなり高かったと記憶しています。その意味でフェラーリはマーケットを裏切っていますが、それでもファンが離れないのはさすがです。

このエンジンのスペックは6.5リッターV12となります。バンク角65度のドライサンプ方式で、最高出力は830cv、最大トルクは678Nmを発生させます。最高速度は340km/h、0-100km/h加速は2.9秒となります。もちろんエンジンの系譜は812シリーズに遡りますが、細部まで手が入っているのはいうまでもありません。そもそもフェラーリは大量生産メーカーとは違うので、モデル毎にそのモデルのキャラに相応しいセッティングを行ったり、各部のアップデートを行なっています。よって毎回新しいエンジンと言っても過言ではないでしょう。長年インタビューしてきてわかりましたが、彼らと他のメーカーの常識は異なります。

デザインはフラヴィオ・マンゾーニ氏とフェラーリ・スタイリングセンターのデザインチームによって出来上がりました。ミッドセンチュリーのグランツーリスモからインスピレーションされたようです。出来上がった2シータークーペは、V12エンジンが収まるロングノーズとショートデッキを具現化しました。流麗なフォルムが自慢です。事実かなりスタイリッシュでかっこいい。人気は必至。このあと屋根の開くスパイダーも登場するので、そちらも奪い合いでしょうね。最近フェラーリの屋根開きモデルの価値がより高まっている気がします。

ところで、このドーディチチリンドリですが、意味はドーディチ=“12”、チリンドリ=“シリンダー”となります。要するに「フェラーリ12気筒」という名前。なんと安易な。フェラーリはなんでもイタリア語にすればいいと思っているのでしょうか。あまり深く考えていないような。う〜ん、ネーミング会議に参加してみたい。オンラインでもいいので。

ということで、フェラーリ・ドーディチチリンドリのジャパンプレミアに行ってきました。すでにワールドプレミアしているので、招待されたメディアはその存在を知っているのですが、かなり多くの関係者が集まりました。これがフェラーリの求心力なんでしょうね。ブランディングの勝利。お見事です!



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