2人は中学から仲がよく、定期的にお互いの家に行ったり来たりする仲。親同士も顔見知りで、連絡先は知っていたようだ。
M美の母から着信が入る。
「A子ちゃん、家に帰りたくないってM美に言ってるみたいで......。主人は出張ですし、もしよければうちに泊まらせてOKですよ。M美も楽しそうなので」
優しい言葉をかけてもらい、M美の家族へ甘えることに。
家出したA子の話を夫にすると「あの子の人生なんだから、大学は好きなとこ行かせたら?歯科医だけが正解じゃないでしょ?」と言われ、真由美さんほど子どもの将来を真剣に考えていない様子だ。
「私からすると、楽して生きていけるほど世の中甘くない。女性は出産・育児というハンデを背負うと社会で活躍しづらい。何歳になっても一人で稼げる能力と技術を身につければ困ることはないと、娘のためを思ってきたのに......これまで頑張ってきたのは何だったんだろうと空虚な状態が続きました」
娘が家出したあと、本人が進みたい道を応援してあげたいと思う真由美さんだったが、その一方で「自分のような人生を歩んでほしい」と強く願う感情が消えないのは確かだった。
☆「東京の私大に行きなさい!お母さんたちのように歯科医を目指すの!」後半では、高学歴親が抱える悩みと一筋縄ではいかない子育てについて詳しくリポートしていきたい☆
取材・文 錦城和佳
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