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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「病気でもないのに、またダラダラしてるのか…」52歳の主婦が絶句。更年期に無理解な亭主との「苦痛すぎる日常」

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

雪が降っている現在のような気候も、更年期にはマイナスに作用するという。

厚労省が発表している「更年期症状・障害に関する意識調査」の集計結果によると、「女性ホルモンや男性ホルモンの変化が健康に影響を与えること」について、50歳以上の女性の約30~40%が「よく知っている」と答えたのに対し、同年代の男性で「よく知っている」と答えた人は10%程度に留まった。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう語る。

「男性にも更年期障害があることはすでに広く知れ渡っており、性別を超えて幅広い症状があることや、程度・期間などに個人差が激しいことはもはや常識です。
第三者が無知を棚に上げて当事者に心ない言葉をかけることは、症状に苦しむ人を傷つけるだけでなく、人間関係のトラブルにも繋がるため、控えなければなりません。現代人には当然求められるリテラシーなのですが…」

今回お話を伺ったのは、大田原咲子さん(仮名)。咲子さんは現在52歳だが、49歳になるやいなや数々の更年期症状に見舞われつらい時期を過ごした。更年期障害に対する夫の無理解で心身ともに窮地に追いやられ、夫への信頼と愛着を失くしたという。

回転性のめまい、ホットフラッシュ。その時に起きたこと。

「まず現れたのはめまいでした。私の場合は回転性のめまいで、目が覚めた時に天井が回っていました。寝返りを打っても立っている時振り向いたり前かがみになったりしてもグルグルと回ります。
耳鼻科で良性発作性頭位めまい症と診断され、自然療法を勧められて改善を待ちましたが、起きる時は起きる、という感じで、緊張の毎日。キツかったですね」

1週間ほどで一旦めまいが治まると、次に現れた症状はホットフラッシュだったそうだ。

「急にほてってきて、とにかくカッカする感じで暑いんです。さっきまで寒かったのにおかしいわ.……ということもありました。周りの誰も汗をかいていないのに、私だけ汗が止まらなくて」

ほてりや滝のような汗は決まったタイミングではなく、突然起きて咲子さんを悩ませた。

「それで婦人科を受診したら案の定更年期障害で、めまいもその一環ではないかと言われました。その日の夜、家で夫に報告したら、ふうん、と言われましたね。病院行ったなら安心じゃん、と。嫌な予感全開でした」

処方された漢方薬がまったく効かず別の療法を始めたが、即効性は望めなかった。受診後も結局は数日めまいが続き、止んだと思えば再開した。また、急に吐き気がしたり、指の関節が傷んだりするなど、症状は固定されることなく次から次に現れたそうだ。

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©Getty Images

「指を思うように動かせないこともあって……どうなってしまうのか不安で、気分まで暗くなりました。何もしたくなくて、そんな自分への自己嫌悪感も強かったです。
診断から1週間ほどあと、めまいに怯えながら横になって涙を流していると、仕事から帰った夫が寝室のドアを開けて、なんだお前、まだ寝てたのか、と言いました。取引先から肉もらってきたから焼いてくれよと」

「何のための医者だよ」あまりに無理解な夫の仕打ち

そう話しながら嫌な感情がよみがえったのか、咲子さんは涙をこぼした。

「横になっているだけで全然眠れず目の下にクマを作ってるのに……何ですかね、あの言い方……すみません、今、心身ともにかなり良くなったんですけど、夫の言葉を思い出しただけで腹が立つし、涙が出てしまって」

苦しい経験の痕が彼女の険しい表情から見て取れる。声を振り絞るようにして、咲子さんは続けた。

「起き上がるとやはりめまいがしたので、よろよろしながらリビングへ行くと、夫がテレビを見てました。ダイニングテーブルの上に、包みを解いただけの黒毛和牛の入った箱がポンと乗ってました」

咲子さんはそれを持ってキッチンへ行き、冷凍してあったご飯を温め、肉を焼いてレタスとトマトを添えて食卓に出した。それができることの限界だった。出された食事を目にした夫は「味噌汁は?青いものもないじゃん。本当に肉焼いただけでしょ」と文句を言ったそうだ。

「私、思わず涙を流しながら、調子が悪い時くらい自分でやってくれたっていいじゃないの!と言ってしまったんです。すると夫は、『何のためにあれこれ薬飲んでんだ?何のために医者に何軒もかかったんだよ』と怒鳴りました」

咲子さんは無言で寝室へ引き返した。心配ひとつしてくれない夫には、何も求められない。自分で何とかしないと栄養補給もままならず、それも不安だった。

遠方で暮らして大学院に通う息子に電話したかったが、忙しいことを知っていたためできなかったという。また、相談相手として友人や職場の同僚などさまざまな人の顔が浮かぶものの、不思議と誰とも話したいと思わなかった。

「次の診察の時、先生からその落ち込みも更年期ではよくある症状なので、時が来たらきっと良くなりますよ、と言っていただきました。夫のことを相談してみたかったけど、恥ずかしいというか、何もかも煩わしくて言葉も出ませんでした」

☆次回では、さらに暴走する亭主関白なクズ夫の実態と、咲子さんの決断を詳報する。誰にでも直面しうる現代夫婦の問題として、読み進めてほしい☆

生活ライター: 中小林亜紀

▶︎後編に続く


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