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LIFESTYLE 女たちの事件簿

オムツ替える夫に小4娘が「セクハラじゃね…?」セクハラに過敏すぎる日本が陥る「未曾有の事態」

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

多数の行為をセクハラ認定されて辞職した岐阜県の某町長をはじめ、立派な肩書を持った人物のセクハラ騒動が後を絶たないが、その一方で身近な人に対する自らの言動がハラスメントに当たらないかどうか不安視して過敏になる人も増えている。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はハラスメントの加害者になりたくないあまり、発言や行動を控えてしまう心理についてこう語る。

「部下を叱れない、異性にアプローチできないなど、ハラスメント扱いされるのが怖いという人の声を最近よく聞きます。相手がどう思うか次第というのがハラスメントであり、相手との距離感に関係なく生じ得る〇〇ハラ問題。言葉がキャッチーというだけで簡単に『〇〇ハラ』と口走ってしまいがちなお子さんには、特に丁寧なハラスメント教育が必要ですね」

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家庭内でのハラスメントについて継続的に取材中だが、「ハラスメントが起きているのではなく、小学生の娘が家族や小学校の男子に対してもセクハラという言葉を多用して苦慮している」という貴重なご意見をいただいた。

「冗談も含め、娘が学校でやたらにセクハラなんて言っていなければいいなあと思ったことはあるのですが、実際に娘の口から「セクハラ」という言葉を聞いた時には何とも言えない気分でした。正直なところ、やっかいな世の中になったなと」

こう語るのは、中2の長男、小4の長女、3歳の次女の3児を持つ44歳の主婦、小篠千鶴さん(仮名)だ。

「中2の息子は反抗期の真っ最中。でも次女のことは凄くかわいがってくれて、よく抱っこやほっぺすりすりしてくれるんですが、小4の娘がそれをセクハラとからかって以来、抱っこしたり頬を寄せたりする楽しみを陰で隠れてやるようになりました」

セクハラと言われて頬を赤らめ、下の妹との交流を上の妹のいない時に行っているという中2の息子さん。

「妹の前だと気になって自然にふるまえなくなったんでしょうね」

千鶴さんは、からかわれるのが嫌で長女がいる前で下の子に触れることができなくなった長男が不憫だったため、小4長女に一声かけたという。

「セクハラっていうのは嫌がらせで人を苦しめることだから、下の子のお世話してあげてる家族にそんなこと言っちゃダメなのよ、と」

すると娘はこう返したという。

「妹が嫌がってないって何でわかるの?お兄ちゃんがほっぺすりすりすると、〇〇ちゃん(妹)よく『いや~』って泣いてるじゃんと、そんな反論をしてきたんです」

小4の娘は学校でハラスメントについて授業を受けたことがあり、そこで得た知識を披露しているつもりなのかもしれない、と千鶴さん。

「娘はまだ経験不足だし短絡的なんだと思う。本人が嫌がっている身体接触なのになぜセクハラに当たらないのかと、質問攻めにされて弱りました。イヤイヤ期と混同しないでと言っても伝わらない。そこの説明、意外と難しくて」

こちらも反抗期の小4長女。母親の意見に納得がいかず、どこまでも食いついてきた。

「たじたじですよ、もう。娘自身はあまり深く考えずに発言しているかもしれませんが、セクハラってパワーワードです。笑顔もなく言われると、本気じゃなくてもグサッときちゃうみたいなんですね。しかも、わが家で娘からセクハラ批判を受けたのは息子だけじゃないんですよ」

どこからがセクハラになるのかというのは、大人の間でよく巻き起こる議論。された側が不快であればハラスメントと解釈されるのが一般的だが、家庭内でもセクハラは起こり得る。では親子のコミュニケーションや世話で少しでも不快感を伴うと言われれば、それもすべてセクハラなのか。言われてみれば難題だ。

☆後編では、息子のみならず夫や同級生にも不用意にセクハラ批判をしてしまう娘と千鶴さんの戦いをレポートする。☆
 

取材/文:中小林亜紀

▶︎後編に続く


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