あかりさん夫婦は同じ会社に勤めているが、月収は2人合わせて手取り45万円ほど。経済的な不安も拭えない。夫は、あかりさんの人間関係への怖さよりも、こちらの問題をネックと感じているらしい。
「ただ、人間関係への恐怖心や経済的不安がなければ産むかと言われれば、それでも、うんとは言えないんです。いまの日本の将来はどこまでも暗いですよね。
不安を押して子供を産んだとしても、ママ友との関係に縛られなくなった頃、今度は自分たちの老後や子供の将来が心配で毎日胃が痛い、となりかねません。どちらにしても妊娠や育児に対して希望は一つもないんです」
結婚さえすれば、何の疑問も持たずに妊娠・出産。そんな時代はとうに終焉を迎えた。目先の給付やベビーシッター券よりも、何年・何十年先に見える希望の灯。現役世代に必要なものはまさにそれなのではないか。
取材/文 中小林亜紀
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