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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「日本が消滅してもいいの…だと!」産まない理由を「屁理屈」と一蹴する60代母への抵抗で「子作りを保留」している30代OLの葛藤。

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

ロート製薬が公表した妊活に対する意識調査「妊活白書」の結果が大きな話題となっている。18~29歳の未婚男女400人のうち「将来、子どもをほしくない」と回答した人の割合が55.2%に上り、報道を目にした多くの人に衝撃が走った。

少子化の深刻さは改めて言及するまでもないことだが、「的外れ」との批判も少なくない政府の少子化対策や、公的な婚活推進いわゆる「官製婚活」に見られる課題など、いかにも「弱い」と言わざるを得ない施策に当事者たちは何を思うのか。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は現状の少子化対策に冷ややかである。

「お上は何事も当事者の気持ちや生活実態などよりも、いかに数字を上げるかにこだわってしまう傾向があります。

自治体主催の婚活で何組カップルが成立したか、少子化対策関連のサービスを何人が利用したか、などに一喜一憂するよりもなぜ子供を産めないのか、産みたくないのか、たとえ手間はかかっても、一人一人の声をすくいあげていくことが真の少子化対策なのではないでしょうか」


子供を産みたくない、産みたくても産めない、そんな思い・悩みを抱える女性から話を聞くべく取材を進めていると、「ママ友とつき合うことになるのが怖くて子供を欲しいと思えない」という既婚女性から話を聞く機会を得た。

「私の気持ちは切実ですが、母には伝わらず口論が絶えません。出産・育児にはママ同士のつき合いがつきまといますよね。

ママ友なんて作らなくていいと言う人もいるけど、作らないことも含めてストレスでしかないと思う。母は『友達ができるからいいんじゃないの。励まし合ったり助け合ったりできるわよ』と言いますが」

こう語るのは、結婚2年目で33歳の会社員・宮ノ内あかりさん(仮名)。夫との話し合いの末、子作りは保留にしてある。

「そういう母自身、仲良くしていたはずの私の同級生のお母さんの悪口を家でよく口にしていたので、まったく説得力はありません。女のつき合いが表面的だということを、私は母を通して学んできた面もあると思っています」

一般の方々と同様、激動する時代の中で人間関係の怖さをその時々に味わってきたあかりさん。臆病で人見知りな性格から、特に学生時代の同性間のつき合いには苦労した。

©Getty Images

「小学4年生の時に女子のリーダー格みたいな子から変なあだ名をつけられ、中学卒業までその名前で呼ばれました。嫌だと言えなかったので、本人も認めているものと受け取られていたんだと思う。

そのあだ名をつけた子は、暴力などはなかったけど、ターゲットを次々変えていじめをする子でした」

クラスの中の数名の女子に対し、気まぐれにターゲットを変えての集団無視や悪口などが横行していたというあかりさんの小学4年生時代。

「昨日は普通に話せていたのにある日急に無視される怖さたるや……。保育園の子供を育てている姉から『ママ友同士のつき合いは、小中学生の女子づき合いレベルで幼稚だよ』と聞かされてから、あの恐怖心が思い出されて、どうしても子供を産む気になれません」

あかりさんは、中学の部活でも人間関係に悩んだという。

「集団のノリのようなものについていけないと、ハブられる部活だったんです。多数派の子はきらきらして楽しそうにしてたけど、私はいない人のように扱われて孤独な青春でした。ボッチが好きなのでそれはそれでいいんです。ただ、そういう人を毎日目にするのがキツいんですよ」

そうした過去の出来事がトラウマになっているというあかりさん。その後も、たとえ自分がターゲットにならなくても、女子の集団がその場にいない子の陰口で盛り上がっている様子を見た経験は少なくない。

「高校で1人、大学では何人か気の合う友達ができましたが、同じ穴のムジナというか、不器用で人づき合いが苦手な子ばかりでした。そういう人と出会える機会は多くありません。就職先で今の夫に出会ってからは、夫が彼氏兼親友的な感じです」

結婚後に夫婦間で子供をどうするかという話題が上るたび、あかりさんの中には「今の平和で閉鎖的な暮らしが続けば嬉しい」という思いが込み上げるという。しかし……。

「30過ぎてるんだから、なるべく早めに産んだ方がいいと、会うたび母にせっつかれるので、思い切って『昔いじめに遭っていたから、ママ友とつき合うのが怖くてその気になれない』と話したんです。でも全然伝わらないどころか、苦笑いされてしまって……」

あかりさんの母は「女同士のつき合いが怖い」という娘の言い分を一蹴した。



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