「偽名まで使って、好きでもない少女漫画買って、隣の奥さんの気を引くなんてどう言うつもりか?と問い詰めました。夫は、落ち着いて話そう、彼女とは何もない、そればかり言っていました」。
このみさんがどんなに問い詰めても夫はそれ以上は口をわらなかった。
「これなら、いっそお隣の奥さんのことちょっと好きになっちゃったんだよねくらい、冗談でも言ってくれた方がマシですよ。何もないと言えば言うほど、何かありそうで…」。
しかし、ある日夫の取り繕いに綻びが出る。このみさんと夫が一緒にいるときに、お隣の奥さんと出くわしたのだ。
「奥さんが夫に漫画を返しに来てくれたんです。奥さんの方は私に話ができたことでホッとしたんでしょうね。夫は本当に決まりの悪そうな顔をしていました。その夜、私は夫にもう一度聞きました。本当はどう言うつもりだったの?と」。
夫は相変わらず、何もないよ、漫画を貸しただけと数回口にしたもののこのみさんの顔を見て観念した様子だったそうだ。
「ちょっと話が盛り上がって、浮かれちゃったと。それに私が妊娠と娘に手一杯で自分のことを見てくれていないような気がしたと話していました。冗談じゃありません。正直、やり方がストーカーチックだったこともあって、私、気持ち悪くなってしまって。今は私は実家で暮らしていて、別居中。今後のことはまだ決められていません」。
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