「実際に子どもが生まれて、もうすぐ4歳になるんですが、うちの子、言葉が出るのが遅かったんですね。そうしたら、『あちゃー、これはうちの遺伝子じゃないわね』と義母に言われたんです」
そう言われた時は、あまねさんと姑の2人きりだったため、夫の援護もなかった。言い返すこともできない自分の気弱さが嫌になったというあまねさん。
「帰って夫に報告したら、義母に電話で抗議してくれました。でも、今度は『冗談も通じないなんて知性が足りないわよ』と義母に言われました」
おとなしい性格のあまねさんは、そのような中傷に対し反撃ひとつできない。また、実家の両親は宣言どおり、「口撃」を受けて以来義実家とは一切の関わりを断って相手を毛嫌いしているため、両親に愚痴や相談を向けることもできないという。
「高学歴であることや一流企業にお勤めだったことがそんなに偉いんでしょうか。この先もずっと子どもの成長や成績を見るたびに、うちの遺伝子だ、あっちの血筋だなどと言われるのかと思うとうんざりします」
隣の市に暮らす義両親とは、頻繁とまでは行かないまでもそれなりの頻度で会うことになる。夫とはとても仲が良いのが救いだが、義実家の学歴主義や家柄重視の価値観は、あまねさんの心に大きな負担となっている。
TEXT:中小林亜紀
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